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広島大学 2020年度 前期理系数学 第1問

a,b を正の定数とする。0<θ<π を満たす実数 θ に対し、平面上で次の三つの条件を満たす三角形 PAB と、この三角形と辺 AB を共有する長方形 ABCD を考える。

(i) PA=aPB=bAPB=θ である。

(ii) 2点 C,D はともに、直線 AB に関して点 P と反対側にある。

(iii) AB=3AD である。

三角形 PAB の面積と長方形 ABCD の面積の和を S とする。次の問いに答えよ。

(1)AB の長さを a,b,θ を用いて表せ。

(2) Sa,b,θ を用いて表せ。

(3) θ0<θ<π の範囲を動くときの S の最大値を M とし、S が最大値 M をとるときの θ の値を β とする。Ma,b を用いて表せ。また、sinβ および cosβ の値を求めよ。

(4) a=16b=25 とする。θ=β のとき、点 P と直線 AB の距離を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安18

三角関数図形と方程式 三角比の利用、コーシー・シュワルツ、範囲評価、図形的解釈

方針

余弦定理で AB2 を求め、長方形の面積を AB2/3 と表す。面積和を 3sinθ4cosθ の形へ整理して三角関数を合成し、最大時の角を決める。最後は三角形の二通りの面積表示から高さを求める。

解答

配置は次図のようになる。

(1)

余弦定理よりAB=a2+b22abcosθ.(2)

三角形の面積は absinθ/2 である。また AD=AB/3 だから、長方形の面積は AB2/3 である。よってS=12absinθ+a2+b22abcosθ3.(3)S=a2+b23+ab6(3sinθ4cosθ).ここで αcosα=35,sinα=45を満たす第4象限の角とすると3sinθ4cosθ=5sin(θ+α).0<θ<π の範囲で右辺は最大値5をとる。したがってM=a2+b23+56ab=2a2+5ab+2b26.最大時にはsinβ=35,cosβ=45.(4)AB2=162+25221625(45)=1521より AB=39 である。求める距離を h とすると1239h=12162535.よってh=8013.

別解

解法2(内積の不等式で最大値を得る)

方針

面積表示までは余弦定理で求める。最大値については、単位ベクトル (sinθ,cosθ) とベクトル (3,4) の内積をコーシー・シュワルツの不等式で評価し、等号条件から β を決める。

解答

(1)

余弦定理よりAB=a2+b22abcosθ.(2)

また AD=AB/3 であるから、三角形と長方形の面積を足してS=a2+b23+ab6(3sinθ4cosθ).(3)

コーシー・シュワルツの不等式より3sinθ4cosθ32+(4)2sin2θ+cos2θ=5.等号は(sinθ,cosθ)=(35,45)のときに成り立つ。この組は 0<θ<π を満たすので、M=2a2+5ab+2b26,sinβ=35,cosβ=45.(4)

a=16,b=25 のときAB=39,[PAB]=12162535=120.したがって、点 P から直線 AB までの距離は2[PAB]AB=24039=8013.

総評

難度5、目安時間18分。図形条件を面積和へ翻訳すると、変数部分は 3sinθ4cosθ だけになる。三角関数の合成と内積の評価は同じ最大化を別の言葉で行っており、等号条件から sinβcosβ の符号まで確定することが要点である。

冊子PDFで見る広大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 広島大学 2020年度 一般入試(前期日程)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。