方針
接線の傾きと、点 P(x,y) から Q(1,0) へ向かう直線の傾きを掛けて −1 にする。これにより微分方程式 ydy/dx=1−x を得る。積分すると中心 (1,0) の円族になるので、与えられた直線に接する条件は中心から直線までの距離が半径に等しいことに読み替える。
解答
(1)
点 P を (x,y) とする。曲線 y=f(x) の接線の傾きは dxdy である。一方、点 P(x,y) と点 Q(1,0) を結ぶ直線の傾きは x−1y−0=x−1y である。
この2直線が直交するので、傾きの積は −1 である。したがって dxdy⋅x−1y=−1 となり、整理して ydxdy=1−x を得る。
(2)
(1)の微分方程式を積分する。 ydxdy=1−x より ydy=(1−x)dx と見て積分すると 2y2=x−2x2+C である。両辺を2倍して整理すると x2−2x+y2=C′ すなわち (x−1)2+y2=R2 と書ける。したがって曲線 C は中心 (1,0)、半径 R の円である。
直線 y=−32x+5 は 2x+3y−15=0 と書ける。この直線と円が接するためには、中心 (1,0) から直線までの距離が半径 R に等しければよい。よってR=22+32∣2⋅1+3⋅0−15∣=1313=13である。したがって求める曲線は (x−1)2+y2=13 である。
別解
解法2(接線方向と距離一定を使う)
方針
接線方向(1,y′)と半径方向(x−1,y)が直交する条件を内積で書く。この式は点Qからの距離の2乗の微分が0であることを示すため、曲線がQ中心の円であると直ちに分かる。接線条件は中心と直線の距離で処理する。
解答
(1)
点P(x,y)における接線の方向は(1,y′)、Q(1,0)からPへ向かう方向は(x−1,y)である。両者が直交するので(1,y′)⋅(x−1,y)=0.したがってydxdy=1−xである。この書き方なら、直線PQが鉛直になる位置でも傾きの割り算を必要としない。
(2)
(1) の式からdxd{(x−1)2+y2}=2(x−1)+2ydxdy=0.よって曲線上では(x−1)2+y2=R2が一定であり、Cは中心Q(1,0)の円である。
与えられた直線は2x+3y−15=0である。円がこの直線に接するための半径は、中心Qから直線までの距離だからR=22+32∣2⋅1+3⋅0−15∣=13.したがって(x−1)2+y2=13である。
総評
接線と法線方向の関係を微分方程式に直す問題である。目安時間は18分。(1)では直線 PQ の傾き y/(x−1) と接線の傾きの積を −1 にするだけだが、整理後の符号 1−x を間違えやすい。(2)は積分して円族にするのが本筋で、最後は中心から直線までの距離で半径を決める。幾何的にも「接線が半径に垂直」と読めるため、円を見抜けると処理が速い。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。
冊子PDFで見る北大の微分の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1991年度 前期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。