方針
h(t)=tlogt とおき,t≧2 での増減を調べる。条件は h(y)≦Ch(x) が 2≦x≦y で常に成り立つことなので,固定した x に対して y≧x で h(y) が最大になる場合を考える。x≧e では最大は y=x,2≦x≦e では最大は y=e である。最後に x について比の最大を取る。
解答
関数 h(t)=tlogt を考える。t>0 で h′(t)=t21−logt である。したがって h(t) は 0<t<e で増加し,t>e で減少する。特に t=e で最大値 h(e)=e1 をとる。
条件は,すべての 2≦x≦y について h(y)≦Ch(x) が成り立つことである。
まず x≧e の場合,y≧x では h(t) は減少しているから h(y)≦h(x) である。したがってこの範囲では C=1 で十分である。
次に 2≦x≦e の場合,y≧x における h(y) の最大値は y=e のときの 1/e である。よって必要な条件は e1≦Cxlogx である。すなわち C≧elogxx である。 2≦x≦e では h(x)=xlogx が増加するので,h(x)1/e は x=2 のとき最大となる。したがって最小の C は C=log2/21/e=elog22 である。
別解
解法2(比の最大値を直接求める)
方針
必要な定数はlogy/yとlogx/xの比の最大値である。h(t)=logt/tの増減から、x≦eではy=e、x≧eではy=xが最も厳しい。残ったxの最大値を端点で決める。
解答
条件を満たす最小のCはCmin=2≦x≦ymaxlogx/xlogy/yである。h(t)=tlogtと置くとh′(t)=t21−logt.したがってhは2≦t≦eで増加し、t≧eで減少する。
2≦x≦eを固定したとき、y≧xにおける分子h(y)の最大値はh(e)=1/eである。よって比の最大値はh(x)1/e=elogxx.この範囲ではh(x)が増加するので、この比はx=2で最大となりelog22を得る。
x≧eではy≧xに対してh(y)≦h(x)だから、比は高々1である。またelog22>1なので、全体の最大値は前者である。したがってCmin=elog22.等号はx=2, y=eで成立する。
総評
対数関数の比を,h(t)=logt/t の最大値問題に直す問題である。目安時間は18分。y を自由に大きくできるため,固定した x に対して h(y) の最大がどこで出るかを見るのが要点である。x≧e と 2≦x≦e で場合が分かれる。最後に x=2 が最も厳しいことを示せば,最小定数 2/(elog2) が自然に出る。 2解法の結論を相互照合し、条件範囲、端点、等号条件、符号を確認した。 図は立式の対応関係を示すための解説図であり、数値結論には依存しない。
冊子PDFで見る北大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 北海道大学 1992年度 前期 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。