方針
接線の式に y=−1、x=g(t) を代入し、さらに g′(t)=1、g(1)=0 から g(t)=t−1 を先に確定する。すると f′(t)=f(t)+1 が得られ、f(x)+1 が指数関数型になる。(1)は通過点で定数を決め、(2)は接点 x=s における値の一致と傾きの一致を連立する。
解答
接点を (t,f(t)) とする。この点における接線は y−f(t)=f′(t)(x−t) である。直線 y=−1 との交点の x 座標が g(t) なので、−1−f(t)=f′(t)(g(t)−t) が成り立つ。
一方、g′(t)=1、g(1)=0 より g(t)=t−1 である。したがって g(t)−t=−1 となり、上の式から f′(t)=f(t)+1 を得る。よって {f(t)+1}e−t は一定であるから、定数 C を用いて f(x)=Cex−1 と表せる。曲線 y=f(x) が直線 y=−1 と交点をもたないためには C=0 であればよく、以下で得られる定数はいずれも 0 ではない。
(1)
曲線が (0,1) を通るので、f(0)=C−1=1 である。したがって C=2 であり、f(x)=2ex−1 である。
(2)
曲線 y=x2−4 と x=s で接するとする。値が一致することから Ces−1=s2−4 であり、傾きが一致することから Ces=2s である。したがって Ces=s2−3=2s となるので、s2−2s−3=0,(s−3)(s+1)=0. よって s=3,−1 である。 s=3 のとき Ce3=6 だから C=6e−3 であり、f(x)=6ex−3−1 である。s=−1 のとき Ce−1=−2 だから C=−2e であり、f(x)=−2ex+1−1 である。
接線の水平距離が常に1
別解
解法2
方針
接線と y=−1 の交点までの水平距離に注目する。g(t)=t−1 なのでその距離は常に1であり、「高さ f(t)+1=傾き×1」から微分方程式を幾何的に得る。
解答
条件からg(t)=t−1.点 (t,f(t)) から直線 y=−1 までの鉛直距離は f(t)+1、
交点 (t−1,−1) までの水平方向の変化量は 1 である。
したがって接線の傾きはf′(t)=f(t)+1.F(t)=f(t)+1 とおけば F′=F だからF(t)=Cet,f(t)=Cet−1.(1)
f(0)=1 より C−1=1、したがってf(x)=2ex−1.(2)
x=s で y=x2−4 と接するとする。接点で値と傾きが一致するのでf(s)=s2−4,f′(s)=2s.しかも f′=f+1 だから2s=s2−3⟺(s−3)(s+1)=0.s=3 では Ce3=6、s=−1 では Ce−1=−2 である。
よってf(x)=6ex−3−1またはf(x)=−2ex+1−1.いずれも C=0 なので y=−1 と交わらない。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。接線の交点条件を正しく式にすることが最重要で、g(t)=t−1 を代入すると符号が一気に簡単になる。f(x)=Cex−1 の C は正とは限らず、(2)では s=−1 から負の C も出る点を落としやすい。想定時間は10分前後。最後に C=0 なので y=−1 と交わらないことまで確認できると答案が締まる。
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出典: 北海道大学 1996年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。