方針
(1) では ay−bx を2つのベクトルで作る平行四辺形の符号付き面積、ax+by を内積として読み替える。(2)では AP≦k が中心 A、半径 k の円板を表し、k<OA なので原点から見た角度の最大は接線で決まる。w=tanθ まで落とせば、角度範囲を接線角で評価するだけでよい。
解答
(1) OA=(a,b)、OP=(x,y) である。OA から OP へ測った角が θ で、0<θ<π/2 だから、ay−bx=OA⋅OPsinθ である。また内積より ax+by=OA⋅OPcosθ である。したがって w=ax+byay−bx=tanθ となる。
(2) AP≦k は中心 A、半径 k の円板を表す。0<k<OA なので、この円板は原点 O を含まない。原点 O からこの円に引いた接線の接点を T とし、OA と OT のなす角を ϕ とする。
点 P が円板内を動くとき、θ の最大値は接線方向で生じる。直角三角形 OAT において AT=k,OA=a2+b2 であるから、sinϕ=OAk である。よって tanϕ=OA2−k2k=a2+b2−k2k. (1)より w=tanθ であり、条件から 0<θ≦ϕ となる。したがって w の範囲は 0<w≦a2+b2−k2k である。
円板を見込む最大角
別解
解法2
方針
座標軸を回転して OA を新しい X 軸に一致させる。すると w は原点を通る直線の傾きになり、その直線が中心 (OA,0)、半径 k の円板と交わる条件を点と直線の距離で処理できる。
解答
(1) a=(a,b),p=(x,y) とおく。向きが反時計回りで
0<θ<π/2 だからay−bx=∣a∣∣p∣sinθ=OA⋅OPsinθ.またax+by=OA⋅OPcosθ.よってw=tanθ.(2)r=OA=a2+b2 とし、座標軸を回転して
A=(r,0)、P=(X,Y) とする。この回転で距離と角度は変わらず、w=XY.AP≦k は(X−r)2+Y2≦k2を表す。傾き w>0 の直線 Y=wX がこの円板と交わる条件は、
中心 (r,0) と直線 wX−Y=0 の距離が k 以下であること、すなわち1+w2rw≦k.r>k>0,w>0 だから同値変形して(r2−k2)w2≦k2.したがって0<w≦r2−k2k=a2+b2−k2k.上端は接線のときに実現し、下端 0 は θ>0 のため含まれない。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中4。分子 ay−bx と分母 ax+by を三角比に直せるかがほぼ全てである。0<θ<π/2 により分母は正で、w はそのまま anθ と見てよい。(2)では最大角が円への接線で決まること、下端の 0 は θ>0 のため含まれないことを明記したい。想定時間は9分前後。
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出典: 北海道大学 1996年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。