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北海道大学 2012年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

実数a>0について,I(a)=1elogaxdxとする。
ただし,e=2.7182は自然対数の底とする。

(1) I(a)aを用いて表せ。

(2) I(a)の最小値,およびそのときのaの値を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安24

積分指数・対数 絶対値の処理、場合分け、微分による最大最小

方針

logax=0 となる点は x=1/a であり、この点が積分区間 [1,e] の左、右、内部のどこにあるかで絶対値を外す。両端の場合は符号が一定なので直接積分し、中央の場合は [1,1/a][1/a,e] に分ける。(2)は端の2場合では単調、中央の場合では微分してただ1つの停留点を調べ、端点値も比較して全体の最小を決める。

解答

(1)
log(ax)=0 となるのは x=1/a である。この点と積分区間
[1,e] の位置関係で場合分けする。

(i) 1a のとき

1/a1 なので、区間全体で log(ax)0 である。よってI(a)=1e{loga+logx}dx=(e1)loga+[xlogxx]1e=(e1)loga+1.(ii) 0<a1/e のとき

1/ae なので、区間全体で log(ax)0 である。よってI(a)=1e{loga+logx}dx=(e1)loga1.(iii) 1/e<a<1 のとき

1<1/a<e であり、x=1/a で符号が変わる。したがってI(a)=11/a{loga+logx}dx+1/ae{loga+logx}dx.ここで11/a{loga+logx}dx=[xlog(ax)x]11/a=1loga1aであるからI(a)=(e+1)loga1+2a.以上をまとめるとI(a)={(e1)loga1(0<a1e),(e+1)loga1+2a(1e<a<1),(e1)loga+1(1a)である。隣り合う式は a=1/e,1 で同じ値になる。

(2)
外側の2区間では、それぞれ a とともに減少、増加する。中央の区間ではI(a)=e+1a2a2=(e+1)a2a2.したがってa=2e+1の前で減少し、後で増加する。この値は 1/e<2/(e+1)<1 を満たすので、
全体の最小点である。最小値はI(2e+1)=(e+1)log2e+11+(e+1)=e+(e+1)log2e+1.よってminI(a)=e+(e+1)log2e+1,a=2e+1である。

1/e<a<1 では x=1/a を境に符号が変わるため、絶対値付き
積分を2区間へ分ける。

別解

解法2(絶対偏差の中心を微分で決める)

方針

c=loga とおくと I(a)=1elogxcdx である。0<c<1 では符号の切替点が x=ec なので、切替点の左右に分けた式を c で微分する。左右の区間長が等しくなる点 ec=(e+1)/2 が最小点になる。

解答

(1)
c=loga とおくとI(a)=1elogxcdx.c00<c<11c は、それぞれ
1a1/e<a<10<a1/e に対応する。
各範囲で絶対値を外すとI(a)={(e1)loga1(0<a1e),(e+1)loga1+2a(1e<a<1),(e1)loga+1(1a)を得る。

(2)
0<c<1 のとき、符号の切替点は x=ec であるからJ(c)=1ec(clogx)dx+ece(logxc)dxとおく。端点 x=ec では両被積分関数が0なので、微分するとJ(c)=(ec1)(eec)=2ece1.したがって J(c)=0 となるのはec=e+12のときであり、その前で J(c)<0、後で J(c)>0 である。
よってここで最小となる。c=loge+12,a=ec=2e+1.このときminI(a)=e(e+1)c=e(e+1)loge+12=e+(e+1)log2e+1.外側の c0c1 では J(c) は区間
[0,1] に近づく向きに単調減少するため、別の最小点はない。

総評

難度6、目安時間24分。絶対値の符号が変わる点 x=1/a と積分区間 [1,e] の位置関係を最初に分類する。第1解法はa の3範囲を直接計算し、第2解法はI(a)=1elogxcdx を絶対偏差と見て、左右の区間長が等しくなる中心を微分で決める。どちらも端の2区間の単調性まで確認して、内部の停留点が全体の最小であることを明示する。

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出典: 北海道大学 2012年度 後期 理系 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。