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北海道大学 2010年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

0x1 に対してf(x)=01etxt(1t)dtと定める。ただし、e=2.718 は自然対数の底である。

(1) 次の不定積分を求めよ。I1=tetdt,I2=t2etdt(2) f(x)x の指数関数と多項式を用いて表せ。

(3) f(x)x=12 で極大となることを示せ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安28

積分微分指数・対数 部分積分、絶対値の処理、微分による最大最小

方針

絶対値を含む積分なので,まず t=x で積分区間を分ける。原始関数を部分積分で準備してから f(x) を明示式に直し,最後は対称性 f(1x)=f(x) によって半区間だけを調べる。最大値の証明では導関数を u=1/2x で書き換え,端点と凸性から符号を示す。

解答

(1)

部分積分を用いる。 tetdt では u=tdv=etdt とすると I1=tetetdt=(t1)et+C である。

同様に t2etdt では u=t2dv=etdt として I2=t2et2tetdt. 上で求めた積分を使えば I2=t2et2(t1)et+C=(t22t+2)et+C である。したがって I1=(t1)et+C,I2=(t22t+2)et+C である。

(2)

0x1 のとき,絶対値を外すために積分区間を 0txxt1 に分ける。 f(x)=0xe(xt)t(1t)dt+x1e(tx)t(1t)dt. すなわち f(x)=ex0xet(tt2)dt+exx1et(tt2)dt. 区間分割の確認

絶対値は t=x を境に外し方が変わる。

第1項は (1) の結果から計算できる。第2項も et に対して同様に部分積分してよい。整理すると f(x)=2x2+2x4+3(ex+ex1) となる。

途中計算を確認しておくと,et(tt2)dt=(t1)et(t22t+2)et=(t2+3t3)et であり,et(tt2)dt=(t2+t+1)et+C である。これを上下端に代入すれば上の式を得る。

(3)

まず f は対称性をもつ。もとの定義で t=1u と置換すると,t(1t)=u(1u) であり,t(1x)=ux となるので f(1x)=f(x) である。したがって最大値を調べるには 0x1/2 を考えれば十分である。

(2)の式を微分すると f(x)=4x+2+3(ex1ex). 0x1/2 に対して u=12x(0u1/2) とおくと,f(x)=4u3e1/2(eueu). よって f(x)0 を示せば,f[0,1/2] で増加し,対称性から x=1/2 で最大となる。

そこで ϕ(u)=4u3e1/2(eueu) とおく。すると ϕ(0)=0, またϕ(12)=23e1/2(e1/2e1/2)=23(1e1)=3e1>0である。さらに ϕ(u)=3e1/2(eueu)0(0u1/2) であるから,ϕ はこの区間で上に凸である。上に凸な関数は端点を結ぶ線分より上にあるので,端点がともに0以上であることから ϕ(u)0 が従う。したがって 0x1/2f(x)0 であり,f はこの区間で増加する。

対称性 f(1x)=f(x) と合わせて,最大値を与える点は x=12 である。

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中7。試験場での目安は28分で、位置づけは標準的な完答対象である。主な採点点は、絶対値で積分区間を分け、明示式から対称性と増減を示すこと。注意点は、指数関数の不等式部分では端点と凹凸の向きを取り違えないこと。

補足。計算量は多いが,方針は「絶対値を外す」「明示式にする」「対称性で半分にする」の3段階である。最大値の議論では,x=1/2 を代入して終わりではなく,その左右で増減がどうなるかを示す必要がある。補助関数 ϕ を使うと,指数関数を含む不等式を端点と凹凸の確認に落とせる。

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出典: 北海道大学 2010年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。