方針
(1) は x>0 を用いて不等式を a≦x+1/x に直し、右辺の最小値を求める。(2) は x=tanθ と置換して、積分区間を θ=π/4 から π/3 に変える。(3) は (1) の最大値 a=2 から得られる不等式 2/(x2+1)≦1/x を 1 から 3 まで積分し、(2) の値と対数積分を比較する。等号が区間全体では成り立たないため、最後は厳密な不等号になる。
解答
(1) x>0 なので、与えられた不等式 x2+1a≦x1 の両辺に正の数 x(x2+1) をかけることができる。すると ax≦x2+1 であり、さらに x>0 で割って a≦x+x1 を得る。
この不等式がすべての正の実数 x について成り立つためには、a は x+x1 の最小値以下でなければならない。相加相乗平均より x+x1≧2x⋅x1=2 であり、等号は x=1 のときに成り立つ。したがって、条件を満たす a の最大値は 2 である。
(2) x=tanθ とおく。x が 1 から 3 まで動くとき、θ は 4π≦θ≦3π を動く。またdx=cos2θ1dθ,x2+1=tan2θ+1=cos2θ1である。したがって x2+1dx=dθ となる。
よって∫13x2+1dx=∫π/4π/3dθ=3π−4π=12πである。
(3)
(1) の結果より、すべての x>0 について x2+12≦x1 が成り立つ。等号は x=1 のときだけである。したがって区間 1<x<3 では x2+12<x1 である。
この不等式を 1 から 3 まで積分すると、区間内で厳密な不等号が成り立つので 2∫13x2+1dx<∫13xdx である。(2) より左辺は 2⋅12π=6π であり、右辺は∫13xdx=[logx]13=log3=21log3である。したがって 6π<21log3 を得る。両辺を6倍して π<3log3 である。さらに 3log3=log33=log27 だから π<log27 である。
総評
難度5、計算量4。目安時間は18分。不等式、三角置換、積分による大小比較がつながる良問である。(1) では x>0 だから正の量をかけても不等号の向きが変わらない。(2) は x=tanθ と置くと区間が π/4 から π/3 に変わる。(3) は等号が x=1 の一点だけで、区間全体ではないため、積分後に厳密な < になることを明記する。最後に 3log3=log27 へ直して結論を書く。
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出典: 北海道大学 2014年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。