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北海道大学 2015年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

nは自然数,aa>32をみたす実数とし,実数xの関数f(x)=0x(xθ)(asinn+1θsinn1θ)dθを考える。ただし,n=1のときはsinn1θ=1とする。

(1) 0π2sinn+1θdθ=nn+10π2sinn1θdθを示せ。

(2) f(π2)=0をみたすnaの値を求めよ。

(3) (2)で求めたnaに対して,f(π2)を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

積分三角関数 部分積分、定積分評価、誘導利用

方針

(1)Im=0π/2sinmθdθ とおき、In+1 を部分積分して In1 と結ぶ。(2)では f(x)=0x(xθ)h(θ)dθ の形から f(x)=0xh(θ)dθ を使い、(1)の漸化式で a=(n+1)/n を得る。a>3/2 から n=1,a=2 に絞り、(3)は 2sin2θ1=cos2θ を直接積分する。

解答

(1) Im=0π/2sinmθdθ とおく。In+1 について In+1=0π/2sinnθsinθdθ である。sinθdθ=d(cosθ) と見て部分積分すると、端では cosθ=0 または sinθ=0 となるので境界項は0であり、In+1=n0π/2sinn1θcos2θdθ である。ここで cos2θ=1sin2θ よりIn+1=n0π/2sinn1θdθn0π/2sinn+1θdθとなる。したがって In+1=nIn1nIn+1 であり、In+1=nn+1In1 が成り立つ。

(2) h(θ)=asinn+1θsinn1θ とおくと、f(x)=0x(xθ)h(θ)dθ である。上端の項は (xx)h(x)=0 なので f(x)=0xh(θ)dθ である。したがって f(π2)=aIn+1In1 である。これが0である条件は aIn+1=In1 であり、(1)を用いると ann+1In1=In1 となる。In1>0 だから a=n+1n=1+1n である。条件 a>3/2 より 1+1n>32 すなわち n<2 である。n は自然数なので n=1,a=2 である。

(3)

n=1,a=2 のときf(π2)=0π/2(π2θ)(2sin2θ1)dθである。2sin2θ1=cos2θ よりf(π2)=0π/2(π2θ)cos2θdθである。部分積分で(π2θ)cos2θdθ=(π2θ)sin2θ2cos2θ4だから0π/2(π2θ)cos2θdθ=[cos2θ4]0π/2=12である。したがって f(π2)=12 である。

別解

別解(導関数の恒等式と微分方程式)

方針

(1)sinnθcosθ の導関数を積分し、端点値が0であることから積分漸化式を得る。(2) は上端が動く積分を微分し、(1)で a を決める。(3) は f(x)=cos2x と初期条件 f(0)=f(0)=0 を用いて2回積分する。

解答

(1) ddθ{sinnθcosθ}=nsinn1θ(n+1)sinn+1θ.これを 0 から π/2 まで積分する。左辺の原始関数は両端で0だから0=n0π/2sinn1θdθ(n+1)0π/2sinn+1θdθ.したがって0π/2sinn+1θdθ=nn+10π/2sinn1θdθ.(2) 被積分関数の括弧内を h(θ) とおくとf(x)=0xh(θ)dθ.よって f(π/2)=0 と (1) から(ann+11)0π/2sinn1θdθ=0.積分は正だから a=(n+1)/n=1+1/n である。a>3/2 より n<2。したがってn=1,a=2.(3) このときf(x)=2sin2x1=cos2x.定義から f(0)=f(0)=0 である。2回積分してf(x)=12sin2x,f(x)=14cos2x14.よってf(π2)=12.

総評

難度6、計算量6。目安時間は22分。(1)の積分漸化式を(2)でそのまま使う誘導型の問題である。採点点は、部分積分の境界項が0になる確認、f(x) を上端項込みで正しく微分すること、In1>0 を使って割ること、a>3/2 から n=1 だけを残すことである。(3)は符号ミスが起きやすいので、2sin2θ1=cos2θ と最終的な負号を明確に追いたい。

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出典: 北海道大学 2015年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。