Evolton

熊本大学 2017年度 前期 医学科理系数学 第1問

半径1の円に外接するABCについて,CAB=2xABC=2yBCA=2zとする.ABCの面積をSとするとき,以下の問いに答えよ.

(問1)
S=1tanx+1tany+1tanzが成り立つことを示せ.

(問2)
z=π6のとき,Sの最小値とそのときのxyを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

三角関数図形と方程式方程式・不等式 三角比の利用不等式評価図形的解釈

方針

内接円の半径が1であるから,面積Sは半周長に等しい。各頂点から接点までの接線の長さを,角の半分と接円半径からcotxcotycotzと表す。(問2)ではx+y=π/3のもとでcotx+cotyを最小化し,sinxsinyが最大となる条件を用いる。

解答

(問1)
内接円の中心を I とし,AB と内接円の接点を P とする。半径が1であるから,直角三角形 AIP においてAP=1tanxである。同様に,各頂点から接点までの接線の長さは1tanx,1tany,1tanzである。

よって三角形の半周長は1tanx+1tany+1tanzである。一方,内接円の半径が1なので,面積は半周長に等しい。したがってS=1tanx+1tany+1tanzである。

(問2)
2x+2y+2z=π であり,z=π6 だからx+y=π3である。(問1)よりS=1tanx+1tany+3である。また1tanx+1tany=cosxsinx+cosysiny=sin(x+y)sinxsiny=3/2sinxsinyである。

ここでsinxsiny=cos(xy)cos(x+y)2=cos(xy)1/22であるから,x+y=π3 のもとで sinxsinyx=y=π6 のとき最大値 14 をとる。したがって1tanx+1tany23であり,S33である。等号は x=y=π6 のとき成立する。よって最小値は33であり,そのときx=y=π6である。

別解

解法2

方針

面積を内接円で3つの三角形に分割して半周長と結びつける。(問2)はcotxの凸性に対する中点評価で最小化する。

解答

(問1)
各頂点から内接円への接線長をそれぞれu,v,wとする。内接円の半径が1なのでS=12{(u+v)+(v+w)+(w+u)}=u+v+wである。

頂点Aの角は2xである。角の二等分線と接点を含む直角三角形を見ればu=cotx=1tanxであり,同様にv=coty, w=cotzである。よってS=1tanx+1tany+1tanzである。

(問2)
z=π/6よりx+y=π3である。0<u<π/2(cotu)=2cotucsc2u>0だから,cotuは下に凸である。したがって中点における凸性からcotx+coty2cotx+y2=2cotπ6=23である。さらにcotz=3なのでS33.等号はx=y=π/6のとき成立する。

総評

難度5,計算量4。想定時間は15分程度。内接円の半径と半周長から面積を出す標準事実を,接線長 cotx と結びつける問題である。(問2)は x+y=π/3 を使って sinxsiny を最大化すればよく,端に近づくと面積は大きくなる点も確認しておきたい。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。

冊子PDFで見る熊本大学の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 熊本大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。