方針
内接円の半径が1であるから,面積Sは半周長に等しい。各頂点から接点までの接線の長さを,角の半分と接円半径からcotx,coty,cotzと表す。(問2)ではx+y=π/3のもとでcotx+cotyを最小化し,sinxsinyが最大となる条件を用いる。
解答
(問1)
内接円の中心を I とし,AB と内接円の接点を P とする。半径が1であるから,直角三角形 AIP においてAP=tanx1である。同様に,各頂点から接点までの接線の長さはtanx1,tany1,tanz1である。
よって三角形の半周長はtanx1+tany1+tanz1である。一方,内接円の半径が1なので,面積は半周長に等しい。したがってS=tanx1+tany1+tanz1である。
(問2)
2x+2y+2z=π であり,z=6π だからx+y=3πである。(問1)よりS=tanx1+tany1+3である。またtanx1+tany1=sinxcosx+sinycosy=sinxsinysin(x+y)=sinxsiny3/2である。
ここでsinxsiny=2cos(x−y)−cos(x+y)=2cos(x−y)−1/2であるから,x+y=3π のもとで sinxsiny は x=y=6π のとき最大値 41 をとる。したがってtanx1+tany1≧23であり,S≧33である。等号は x=y=6π のとき成立する。よって最小値は33であり,そのときx=y=6πである。
別解
解法2
方針
面積を内接円で3つの三角形に分割して半周長と結びつける。(問2)はcotxの凸性に対する中点評価で最小化する。
解答
(問1)
各頂点から内接円への接線長をそれぞれu,v,wとする。内接円の半径が1なのでS=21{(u+v)+(v+w)+(w+u)}=u+v+wである。
頂点Aの角は2xである。角の二等分線と接点を含む直角三角形を見ればu=cotx=tanx1であり,同様にv=coty, w=cotzである。よってS=tanx1+tany1+tanz1である。
(問2)
z=π/6よりx+y=3πである。0<u<π/2で(cotu)′′=2cotucsc2u>0だから,cotuは下に凸である。したがって中点における凸性からcotx+coty≧2cot2x+y=2cot6π=23である。さらにcotz=3なのでS≧33.等号はx=y=π/6のとき成立する。
総評
難度5,計算量4。想定時間は15分程度。内接円の半径と半周長から面積を出す標準事実を,接線長 cotx と結びつける問題である。(問2)は x+y=π/3 を使って sinxsiny を最大化すればよく,端に近づくと面積は大きくなる点も確認しておきたい。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。
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出典: 熊本大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。