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熊本大学 2021年度 前期数学② 第4問

次の問いに答えよ.
(問1) 0xπのとき,sinx=sin2xの解を求めよ.
(問2) 02πsinxsin2xdxを求めよ.
(問3) nを正の整数とするとき,定積分02πsinnxsin2nxdxを求めよ.
(問4) cを正の数とするとき,limn0csinnxsin2nxdxを求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安22

三角関数積分 展開・因数分解、定積分評価置換、はさみうち

方針

sinxsin2x=sinx(12cosx) の符号変化を調べて一周期分の絶対値積分を求める。以後は u=nx と周期平均で処理する。

解答

(問1)
sinx=sin2xsinx(12cosx)=0 と同値。0xπ よりx=0,π3,π.(問2)
h(x)=sinxsin2x の零点は 0,π3,π,5π3,2πF(x)=cosx+12cos2x とすると,符号に注意して02πh(x)dx=5.(問3)
u=nx とおくと,周期性より02πsinnxsin2nxdx=1n02nπsinusin2udu=5.(問4)
h(u)=sinusin2u とし,nc=2πqn+rn0rn<2π とおく。0ch(nx)dx=5qnn+1n0rnh(u)du.第2項は0に近づき,qn/nc/(2π)。よって極限は5c2π.

別解

解法2(和積公式と平均値から処理)

方針

和積公式で sinxsin2x を積にし、一周期の絶対値積分を対称的に計算する。極限は周期ごとの商と余りではなく、平均を引いた関数の原始関数が有界であることから直接示す。

解答

(問1)
和積公式よりsinxsin2x=2sinx2cos3x2である。したがって、0xπ における解は x=0,π/3,π である。

(問2)
0x2π では sin(x/2)0 である。u=x/2 と置くとI=02πsinxsin2xdx=40πsinucos3uduとなる。cos3u の符号は u=π/6,π/2,5π/6 で切り替わる。また、原始関数は 18cos4u+14cos2u である。4区間で符号を交互に変えて代入するとI=4(116+916+916+116)=5を得る。

(問3)
p(u)=sinusin2u とおくと、p は周期 2π で一周期の積分が5である。したがって02πp(nx)dx=1n02nπp(u)du=1nn5=5である。

(問4)
一周期平均と平均偏差の原始関数をμ=12π02πp(u)du=52π,H(v)=0v{p(u)μ}duとおく。pμ は一周期の積分が0なので、H は周期 2π の有界な関数である。よって0cp(nx)dx=μc+H(nc)n5c2πである。

総評

難度6,計算量6。想定時間は22分程度。一周期積分5の符号確認と、端数周期の寄与が0になる根拠まで書くことが採点の要点である。平均を引いた原始関数の有界性を使うと評価が短い。

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出典: 熊本大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。