方針
L=loge2とおき,log2x=Llogexとして微分する。増減から極大値と零点の個数を判定し,x=1,2が解であることを確認する。囲まれた部分は1≦x≦2でf(x)≧0となるので,その定積分を計算する。
解答
(問1)
L=loge2 とおくとf(x)=Llogex−x+1である。したがってf′(x)=Lx1−1であり,f′(x)=0 となるのは x=L1 のときである。f′(x) は 0<x<L1 で正,x>L1 で負であるから,x=L1 で極大となる。極大値はf(L1)=log2L1−L1+1である。極小値はない。
(問2)
f(1)=0,f(2)=0 である。また 21<L<1 より 1<L1<2 である。したがって f(x) は (0,L1) で増加し,(L1,∞) で減少する。
x=1 と x=2 はそれぞれ零点であり,増減と x→∞limf(x)=−∞ より,これ以外の零点はない。よって解はx=1,x=2である。
(問3)
(問2)と増減より,曲線とx軸で囲まれる部分は 1≦x≦2 にあり,この区間で f(x)≧0 である。したがって面積は∫12(log2x−x+1)dx=∫12(Llogex−x+1)dx=[Lxlogex−x−2x2+x]12=23−L1である。すなわち23−loge21である。
別解
解法2
方針
微分で極大点を求めた後,f′′(x)<0による厳密な上に凸性から零点が高々2個であることを示す。既知の2零点を確認して面積積分へ進む。
解答
(問1)
L=loge2とおくとf′(x)=Lx1−1,f′′(x)=−Lx21<0である。したがってx=1/Lでただ1つの極大値f(L1)=log2L1−L1+1をとり,極小値はない。
(問2)
直接代入してf(1)=f(2)=0である。またf′′(x)<0なのでfは厳密に上に凸であり,異なる3個の零点をもつことはない。実際,3零点があれば中央の零点での値は,両端を結ぶ弦の値0より真に大きくなるはずで,矛盾する。よって解はx=1,x=2だけである。
(問3)
1<x<2では上に凸性からf(x)>0である。したがって面積は∫12f(x)dx=[Lxlogex−x−2x2+x]12=23−loge21である。
総評
難度6,計算量5。想定時間は18分程度。底が 2 の対数を自然対数に直して微分・積分する点が中心である。1<1/loge2<2 を確認してから零点の個数を述べると答案の抜けが少ない。面積は小さい正の値になるので,符号の確認も必要である。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。
冊子PDFで見る熊本大学の微分の問題で問題集を作る
出典: 熊本大学 2017年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。