方針
0≦x≦1 では 0≦sin(πx/2)≦1 であることから最大・最小を求める。下からの評価は sin(πx/2)≧x を使い,an は (2)n と (2)n/(n+1) ではさむ。
解答
(問1)
0≦x≦1 では0≦sin2πx≦1である。したがって1≦f(x)≦2であり,最小値は 1,最大値は 2 である。
(問2)
上の結果から f(x)≦2 は成り立つ。次に,0≦x≦1 では sin2πx≧x であるからf(x)2=1+sin22πx≧1+x2≧2x2である。両辺は 0 以上なのでf(x)≧2xである。よって2x≦f(x)≦2が成り立つ。
(問3)
(問2)より(2x)n≦{f(x)}n≦(2)nである。0≦x≦1 で積分してn+1(2)n≦an≦(2)nを得る。したがって2nn+11≦nan≦2である。与えられた条件よりn→∞limnn+11=1であるから,はさみうちによりn→∞limnan=2である。
別解
解法2(最大点近傍だけを使って積分の累乗根を評価する方法)
方針
三角関数の凹性から設問の下側評価を示す。
極限では積分全体を具体的に評価せず、最大点 x=1 の近くに
f(x) が最大値に近い区間を確保する。
解答
(問1)
0≦x≦1 では sin(πx/2) は0から1まで増加するからminf=1 (x=0),maxf=2 (x=1).(問2)
g(x)=sin(πx/2)−x とおくとg′′(x)=−4π2sin2πx≦0.g は上に凸で g(0)=g(1)=0 だから、区間内で g(x)≧0。よってf(x)2=1+sin22πx≧1+x2≧2x2.また問1から f(x)≦2 なので2x≦f(x)≦2.(問3)
任意の ε>0 をとる。f は x=1 で連続で
f(1)=2 だから、ある δ∈(0,1) が存在して1−δ≦x≦1⟹f(x)>2−ε.したがってδ(2−ε)n≦∫1−δ1{f(x)}ndx≦an≦(2)n.n 乗根をとるとδ1/n(2−ε)≦nan≦2.δ1/n→1 であり、ε は任意だからn→∞limnan=2.
総評
難度5,計算量4。想定時間は13分程度。関数自体の詳しい積分は不要で,最大値と下からの単純な評価で極限をはさむ問題である。sin(πx/2)≧x と 1+x2≧2x2 を組み合わせるのが要点である。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。 熊本大学2022年度資料20頁(数学①②③解答原稿12頁・医系問題解答8頁)と独立本文を照合し、結論・設問対応・計算過程を再確認した。
冊子PDFで見る熊本大学の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 熊本大学 2022年度 前期数学 理,工,医(放射線技術科,検査技術科学専攻),薬学部 医学科【2】の類題 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。