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熊本大学 2021年度 前期数学③ 第4問

次の問いに答えよ.
(問1) nを正の整数とするとき,定積分02πsinnxsin2nxdxを求めよ.
(問2) cを正の数とするとき,limn0csinnxsin2nxdxを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

三角関数積分 定積分評価置換、はさみうち、計算整理

方針

一周期分の絶対値積分を先に求め,u=nx と周期性で問1を出す。問2は nc を周期部分と余りに分け,余りの寄与が消えることを示す。

解答

(問1)
h(u)=sinusin2u とする。0u2πsinusin2u=sinu(12cosu) の零点は 0,π3,π,5π3,2π。符号に注意して積分すると02πh(u)du=5.よって u=nx と周期性から02πsinnxsin2nxdx=1n02nπh(u)du=5.(問2)
nc=2πqn+rn0rn<2π とおくと0ch(nx)dx=5qnn+1n0rnh(u)du.余り部分は 0 に近づき,qn/nc/(2π)。したがってlimn0csinnxsin2nxdx=5c2π.

別解

解法2(和積公式と有界な周期原始関数)

方針

一周期の絶対値積分は和積公式で対称的に計算する。極限では一周期平均を引いた関数の原始関数を作り、その周期性と有界性から誤差が O(1/n) であることを示す。

解答

(問1)
和積公式よりsinusin2u=2sinu2cos3u2である。0u2π では sin(u/2)0 なので、v=u/2 と置くと一周期の積分はJ=40πsinvcos3vdvとなる。cos3v の符号は v=π/6,π/2,5π/6 で切り替わりsinvcos3vdv=18cos4v+14cos2vである。4区間に分けて代入するとJ=4(116+916+916+116)=5を得る。p(u)=sinusin2u とおけば、p は周期 2π だから02πp(nx)dx=1n02nπp(u)du=1nnJ=5である。

(問2)
一周期平均はμ=J2π=52πである。ここでH(v)=0v{p(u)μ}duとおく。被積分関数は周期 2π で一周期の積分が0なので、H も周期 2π で有界である。したがって0cp(nx)dx=1n0ncp(u)du=μc+H(nc)nである。H(nc)/n0 よりlimn0csinnxsin2nxdx=5c2πとなる。

総評

難度6,計算量5。想定時間は18分程度。まず一周期の絶対値積分5を、零点と符号を明示して確定する。その後は置換 u=nx により周期平均の問題になる。商と余りで評価する方法と、平均を引いた原始関数の有界性を使う方法のどちらでも、端数周期の寄与が0へ収束する根拠を書くことが必要である。

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出典: 熊本大学 2021年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。