方針
共有点は h(x)=f(x)−g(x) の零点として調べる。h の極大値が 0 になるときだけ重解をもち,正の k で共有点が2個になる。求めた k で交点を出し,2点を結ぶ直線と放物線に囲まれる部分のうち x≧0 の面積を積分する。
解答
(問1)f(x)−g(x)=32x3−8x−35−kである。微分すると(f−g)′(x)=2x2−8=2(x−2)(x+2)である。したがって x=−2 で極大,x=2 で極小となり,極大値は9−k極小値は−337−kである。
(問2)
k>0 であるから,極小値は常に負である。3次方程式 f(x)−g(x)=0 がちょうど2個の異なる実数解をもつには,極大値が 0 となればよい。よって9−k=0よりk=9である。
(問3)
k=9 のときf(x)−g(x)=32(x+2)2(x−4)であるから,共有点の x 座標は −2,4 である。C2 はy=x2+4x+13であり,共有点は (−2,9),(4,45) である。この2点を通る直線 l はy=6x+21である。−2≦x≦4 では直線が放物線の上側にあるので,x≧0 の部分の面積は∫04{(6x+21)−(x2+4x+13)}dx=∫04(−x2+2x+8)dx=380.したがって求める面積は 380 である。
別解
解法2(重解条件と平行移動)
方針
共有点が2個である条件を、差の3次多項式が重解をもつ条件として処理する。候補の重解は導関数の零点だけなので k を即決し、面積は X=x+2 で放物線を標準位置へ移して計算する。
解答
(問1)
差を h(x)=f(x)−g(x) とおくとh(x)=32x3−8x−35−k,h′(x)=2(x−2)(x+2).したがって x=−2 で極大値 9−k、x=2 で極小値
−37/3−k をとる。
(問2)
共有点がちょうど2個であるには、3次方程式 h(x)=0 が重解をもてばよい。重解の候補は h′(x)=0 より x=±2 だけである。h(−2)=9−k,h(2)=−337−k.k>0 の範囲で零になりうるのは前者だけだからk=9である。このときh(x)=32(x+2)2(x−4)で、異なる共有点は確かに2個である。
(問3)
X=x+2 と平行移動すると、放物線 C2 はy=X2+9となる。交点の X 座標は 0,6 であり、その2点を結ぶ直線はy=6X+9.x≧0 は X≧2 に対応するので、求める面積は∫26{(6X+9)−(X2+9)}dX=∫26X(6−X)dX=380.
総評
難度5,計算量5。想定時間は15分程度。共有点の個数を3次関数の極値で判定する標準問題である。重解が出る k=9 を得た後,放物線と直線の上下関係,および x≧0 による積分区間の切り取りを誤らないことが重要である。位置づけは差がつく標準問題であり,方針を早く固めて計算ミスなく完答したい。
冊子PDFで見る熊本大学の微分の問題で問題集を作る
出典: 熊本大学 2023年度 前期 数学①(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。