方針
弦 PR の通過領域は弧 PQ と弦 PQ に囲まれた円弧部分である。中心角を x=1/r と置いて面積を一変数関数にし、導関数の符号を半角公式で調べる。
解答
弧 PQ の中心角を α とすると、rα=1 より α=1/r である。R が弧上を動くとき、線分 PR の通過部分は弧 PQ と弦 PQ に囲まれた部分である。したがってS(r)=2r2(r1−sinr1)である。
x=1/r とおく。条件 2πr>1 より 0<x<2π であり、S=2x2x−sinxとなる。定数 1/2 を除いた関数を微分すると、その符号は2sinx−x(1+cosx)=2cos2x(2sin2x−xcos2x)の符号に一致する。
0<x<π では、u=x/2 とおくと 0<u<π/2 であり、tanu>u だから括弧内は正である。よって S は増加する。π<x<2π では cos(x/2)<0 であり、括弧内は正だから S は減少する。したがって最大は x=π、すなわち r=1/π のときで、Smax=2π2π−sinπ=2π1である。なお tanu>u は h(u)=tanu−u とおけば h(0)=0, h′(u)=tan2u>0 から従う。
別解
解法2
方針
微分した商の増減を追わず、候補値 1/(2π) との大小を直接示す。区間 0<x≦π と π≦x<2π で別々の三角不等式を使う。
解答
中心角を x=1/r とおけば 0<x<2π であり、S(r)=2x2x−sinx.これがS(r)≦2π1を満たすことを示す。これはF(x)=x2−πx+πsinx≧0(1)と同値である。
まず 0≦x≦π とする。h(x)=sinx−x+πx2とおくと h(π−x)=h(x) である。[0,π/2] ではh′(x)=cosx−1+π2x,h′′(x)=−sinx+π2.h′′ はこの区間で正から負へ1度だけ変わり、
h′(0)=h′(π/2)=0 だから h′(x)≧0 である。
よって h(x)≧h(0)=0。対称性から全区間で h(x)≧0、
すなわち (1) が成り立つ。
次に π≦x<2π とし x=π+y (0≦y<π) とおく。F(x)=y(π+y)−πsiny≧π(y−siny)≧0.したがって全範囲で S(r)≦1/(2π) である。
等号は x=π、すなわち r=1/π で成り立つからmaxS(r)=2π1.
総評
図形の通過領域を円弧部分と同定してから無次元化する難問で、目安は18分。中心角の範囲、導関数の符号が x=π で変わること、最大点が条件内にあることを確認したい。
円弧部分の面積を中心角へ無次元化し、微分と直接不等式の2経路で x=π の最大性を確認した。
冊子PDFで見る京大の図形と方程式の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 1994年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。