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京都大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

amは自然数でaは定数とする.
xy平面上の点(a,m)を頂点とし,原点と点(2a,0)を通る放物線を考える.
この放物線とx軸で囲まれる領域の面積をSm,この領域の内部および境界線上にある格子点の数をLmとする.
このとき極限値limmLmSmを求めよ.
ただしxy平面上の格子点とはその点のx座標とy座標がともに整数となる点のことである.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

積分整数数列 面積計算、はさみうち、極限計算

方針

頂点と2つの x 軸上の交点から放物線の式を決め、まず面積 Sm を積分で求める。格子点数は、整数 x=0,1,,2a ごとに縦方向の整数 y の個数を数えて和にする。整数部分を外したときの誤差は、x の個数が固定されているため m によらず有界であり、m の比では消える。

解答

放物線は原点と (2a,0) を通り、頂点が (a,m) である。したがって y=m{1(xaa)2} と書ける。整理すると y=ma2x(2ax) である。

まず面積を求める。 Sm=02ama2x(2ax)dx であるから Sm=ma2[ax2x33]02a =ma2(4a38a33)=4am3 である。

次に格子点数を数える。x 座標が整数で領域内にあるには x=0,1,2,,2a である。各整数 x に対して、y 座標は 0yma2x(2ax) を満たす整数であるから、その個数は ma2x(2ax)+1 である。したがってLm=x=02a(ma2x(2ax)+1)である。

ここで任意の実数 Y について Y1<YY である。和の項数は 2a+1 個で、a は固定された定数なので、ある m によらない有界な量 Rm を用いて Lm=ma2x=02ax(2ax)+Rm と書ける。

和を計算する。 x=02ax(2ax)=2ax=02axx=02ax2 である。ここでx=02ax=a(2a+1),x=02ax2=2a(2a+1)(4a+1)6だから x=02ax(2ax)=2a2(2a+1)a(2a+1)(4a+1)3 =a(2a+1)(2a1)3=a(4a21)3 である。よって Lm=m(4a21)3a+Rm と書ける。ただし Rm は有界である。

したがって LmSm=m(4a21)3a+Rm4am3 であり、mRm/m0 となるからlimmLmSm=4a213a4a3=4a214a2=114a2である。

別解

解法2

方針

整数 x ごとの縦列格子点数を、整数部分を使わず上下から直接挟む。有限個の縦列なので誤差は一定以下となり、面積で割ったはさみうちから極限を得る。

解答

放物線の高さをYm(x)=ma2x(2ax)とする。面積はSm=02aYm(x)dx=4am3.整数 j=0,1,,2a の縦列にある格子点数はYm(j)+1である。任意の Y0 についてYY+1Y+1だから、全列を加えるとj=02aYm(j)Lmj=02aYm(j)+(2a+1).ここでj=02aYm(j)=ma2j=02aj(2aj)=m(4a21)3a.従って Sm=4am/3 で割ると4a214a2LmSm4a214a2+3(2a+1)4am.右端の追加項は m で0になる。はさみうちによりlimmLmSm=114a2.

総評

面積と格子点数の漸近比を比較する問題で、想定時間は25分程度。放物線の式と面積計算は標準的だが、格子点数では整数 x が有限個 0 から 2a までに限られることが重要である。そのため整数部分による誤差は m に比例せず、有界な誤差として処理できる。最後の和 x(2ax) の計算で係数を落とすと極限値がずれるので、和の公式を一段ずつ書くと安全である。

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出典: 京都大学 1998年度 前期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。