方針
(1−x) を掛けた形は差の平方を作るので、gn の漸化式を求めて帰納する。得られた (1−x)fn(x)=1−x2n−1 を使い、∣x∣<1、x=−1、その他に分けて極限を判定する。
解答
n=1 ではg1(x)=1−x.n≧2 ではgn(x)=(1−x)(1+x)fn−1(x2)=(1−x2)fn−1(x2)=gn−1(x2).従って帰納法によりgn(x)=1−x2n−1である。
実際、n≧2 ならfn(x)=(1+x)(1+x2)⋯(1+x2n−2)であり、上の恒等式と一致する。
次に収束範囲を調べる。x=1 ではfn(x)=1−x1−x2n−1.−1<x<1 なら x2n−1→0 だからfn(x)→1−x1.x=−1 では n≧2 で fn(−1)=0 だから収束する。一方 x=1 では fn(1)=2n−1 で発散する。∣x∣>1 では x2n−1→+∞ となり、上式の絶対値が無限に大きくなるので収束しない。
従って求める範囲は−1≦x<1.
別解
解法2(積を直接展開して差の平方を使う)
方針
漸化式を繰り返して
fn(x)=(1+x)(1+x2)⋯(1+x2n−2) と書く。
(1−x)(1+x)=1−x2 を順に使えば積が望遠鏡式に消え、
その閉じた式から端点を含めて収束を判定できる。
解答
漸化式を繰り返すと、n≧2 についてfn(x)=(1+x)(1+x2)⋯(1+x2n−2)である。よってgn(x)=(1−x)(1+x)(1+x2)⋯(1+x2n−2)=(1−x2)(1+x2)⋯(1+x2n−2)=1−x2n−1.n=1 でも g1(x)=1−x なので同じ式が成り立つ。
x=1 ならfn(x)=1−x1−x2n−1.∣x∣<1 では x2n−1→0 だから収束する。
x=−1 では n≧2 で最初の因子 1+x が0となり、やはり収束する。
x=1 では fn(1)=2n−1 で発散する。
∣x∣>1 では x2n−1→+∞ だから絶対値が発散する。
したがって収束する範囲は−1≦x<1である。
総評
難度6、計算量5。想定時間は18分程度。x=−1 は ∣x∣<1 に含まれないが途中から0になるため収束し、x=1 は分母表示が使えないので必ず別扱いする。有限積は因子を列記し、禁止記法に依存しない。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、端点・等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。
冊子PDFで見る京大の関数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2001年度 後期 数学 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。