方針
共有点がない条件は,h(x)=logx−px−q が x>0 で0にならない条件である。p≦0 では x→+0 と x→∞ の値の変化から必ず共有点を持つ。p>0 では h′(x)=1/x−p より x=1/p で最大値を取り,両端では −∞ に下がる。したがって共有点を持たないためには,この最大値が0未満であることが必要十分である。
解答
h(x)=logx−px−q(x>0) とおく。直線 y=px+q と曲線 y=logx が共有点をもたないことは,方程式 h(x)=0 が x>0 に解をもたないことと同値である。
まず p≦0 の場合を考える。x→+0 のとき logx→−∞ であり,−px−q は少なくとも下に発散する項ではないので h(x)→−∞ である。一方,p<0 なら −px→∞,p=0 なら logx→∞ により,x→∞ で h(x)→∞ となる。h は連続だから,この場合は必ず h(x)=0 の解を持つ。したがって共有点をもたないためには p>0 が必要である。
以下 p>0 とする。このとき h′(x)=x1−p である。よって 0<x<1/p では h′(x)>0,x>1/p では h′(x)<0 となるので,h(x) は x=p1 で最大値をとる。また x→+0 と x→∞ のどちらでも h(x)→−∞ である。
したがって x>0 に解をもたないための必要十分条件は,最大値が0より小さいことである。最大値はh(p1)=logp1−p⋅p1−q=−logp−1−qであるから,条件は −logp−1−q<0 すなわち p>0,q>−logp−1 である。等号の場合は接点を1つ持つので,問題の条件には含まれない。
q=−logp−1 が接する境界で、その上側が求める領域。
別解
解法2(対数の基本不等式)
方針
p≦0 では連続性から必ず交点があることを確認する。p>0 では t=px と置き、logt≦t−1 を使って logx−px の最大値を一行で評価する。等号条件 t=1 により必要性も同時に得る。
解答
まず p≦0 なら、x→+0 でlogx−px−q→−∞である。一方、x→∞ では p<0 なら −px→∞、p=0 なら logx→∞ だから、連続性により必ず共有点を持つ。よって p>0 が必要である。
p>0 とする。正の実数 t に対してlogt≦t−1が成り立ち、等号は t=1 のときに限る。t=px と置くとlogx−px=log(px)−logp−px≦px−1−logp−px=−1−logp.しかも px=1、すなわち x=1/p のとき等号となる。したがってx>0max{logx−px}=−1−logp.直線と対数曲線が共有点を持たないためには、すべての x>0 でlogx<px+qとなることが必要十分である。最大値の式から、その条件はq>−1−logpである。ゆえに求める必要十分条件はp>0,q>−logp−1となる。
総評
対数関数と直線の共有点を,差の関数の最大値で判定する問題である。想定時間は12分から15分,難易度は5,計算量は3程度。p≦0 を先に除くこと,p>0 で両端が −∞ になり最大値だけを見ればよいこと,接する場合は共有点を持つため不等号が厳しくなることが採点上のポイントである。
冊子PDFで見る京大の指数・対数の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2008年度 前期 数学(理系甲・理系乙)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。