Evolton

京都大学 2012年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

次の各問に答えよ。

(1) a が正の実数のときlimn(1+an)1/nを求めよ。

(2) 定積分131x2log1+x2dxの値を求めよ。

難易度4/ 10計算量4/ 10目安15

関数積分指数・対数 極限計算、部分積分、定積分評価

方針

(1)a1a>1 に分ける。0<a1 では 1+an が1と2の間に挟まれるので、その 1/n 乗をはさみうちする。a>1 では an をくくり出し、残った因子が1へ近づくことを示す。(2)は u=log1+x2dv=x2dx とする部分積分で、対数を微分して 1/(1+x2) に落とす。残る積分は x=tant とおき、端点 t=π/4,π/3 を丁寧に代入する。

解答

(1)
まず 0<a1 とする。このとき11+an2だから1(1+an)1/n21/n.21/n1 より、はさみうちによって極限は1である。

次に a>1 とする。このとき(1+an)1/n=a(1+1an)1/n.また1(1+1an)1/n21/nであり、両端が1に収束する。したがって極限は a である。

以上よりlimn(1+an)1/n={1(0<a1),a(a>1)となる。

\newpage
(2)
求める積分をI=131x2log1+x2dxとおく。部分積分でu=log1+x2,dv=dxx2とすればdu=x1+x2dx,v=1xだからI=[1xlog1+x2]13+13dx1+x2.後半の積分では x=tant とおく。端点は
t=π/4,π/3 に対応し、13dx1+x2=π/4π/3dt=π12.また境界項は13log2+12log2である。したがってI=(1233)log2+π12.

別解

解法2(対数化と三角置換)

方針

(1) は正の数列の対数をとり、a<1, a=1, a>1 に分けて指数部の極限を求める。(2)は最初に x=tant と置いて積分を log(sect)csc2t に変え、部分積分する。元の変数で部分積分する主解法とは計算の見通しが異なる。

解答

(1) Ln=(1+an)1/nとおく。0<a<1 のとき0logLn=1nlog(1+an)log2n0であるから Ln1 である。a=1 のときも
Ln=21/n1 である。

a>1 のときはlogLn=1nlog{an(1+an)}=loga+1nlog(1+an).第2項は01nlog(1+an)log2n0なので logLnloga、したがって Lna である。ゆえにlimn(1+an)1/n={1(0<a1),a(a>1)となる。

\newpage
(2)x=tantとおくと、x=1,3t=π/4,π/3 に対応する。またdxx2=sec2ttan2tdt=csc2tdt,log1+x2=log(sect).よってI=π/4π/3log(sect)csc2tdt.ここでu=log(sect),dv=csc2tdtとするとdu=tantdt,v=cott.したがってI=[cottlog(sect)]π/4π/3+π/4π/3cotttantdt=13log2+12log2+[t]π/4π/3=(1233)log2+π12.

総評

難度4、目安時間15分。極限は a=1 を含めて 0<a1a>1 に分けるのが自然で、どちらもはさみうちで処理できる。積分は対数部分を微分すると x/(1+x2) になり、x2 の原始関数 1/x とちょうど噛み合う。残る積分で x=tant とおいたとき、端点が t=π/4,π/3 に対応することを取り違えないのが得点上の注意点である。
\newpage

冊子PDFで見る京大の関数の問題で問題集を作る

出典: 京都大学 2012年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。