方針
内接円の半径が1である四角形では、面積は「半周長」と等しい。各頂点で、内角を とすると、その頂点から隣の接点までの接線長は で表せる。したがって面積を4つの の和に直し、少なくとも2つの角が直角であることと、四角形の内角和が であることから下限を出す。等号が正方形で実現することも最後に確認する。
解答
内接円の半径を 、四角形の半周長を とすると、内接円を中心に4つの三角形へ分けることで である。いま なので、面積は半周長 に等しい。
四角形の内角を とする。ある頂点の内角を とし、その頂点から内接円への2本の接線の接点までの長さを とする。中心は角の二等分線上にあり、半径は接線に垂直であるから、直角三角形で となる。したがって である。
四角形の各辺は、両端の頂点から接点までの接線長の和である。よって半周長は、各頂点から出る接線長を1回ずつ足したものになり、面積 は である。
少なくとも2つの内角が直角であるから、その2つを としてよい。すなわち である。このとき内角和より である。したがって である。
さらに とおくと、 であり、 である。よってである。ここで なので であり、等号は 、すなわち のときに成り立つ。
したがって である。半径1の円に外接する正方形を考えると、その一辺は2であり、面積は である。この四角形は条件(a)(b)を満たすので、求める最小面積は である。
総評
難度6、計算量4。目安時間は20分。正方形が候補であることはすぐ見えるが、最小性の証明が本題である。内接円半径1から面積を半周長へ変換し、各頂点の接線長を と表すと不等式に落ちる。直角が3つ以上ある場合も、直角2つを選べば残り2角の和は なので同じ議論で処理できる。等号条件が正方形で実現することまで書くと答案が完結する。