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京都大学 2017年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第6問

n を自然数とする。n 個の箱すべてに、1、2、3、4、5の5種類のカードがそれぞれ1枚ずつ、計5枚入っている。

各箱から1枚ずつカードを取り出し、取り出した順に左から並べて n 桁の数 X を作る。

このとき、X が3で割り切れる確率を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

確率整数 剰余分類、漸化式の変形状態分類

方針

3で割り切れるかどうかは桁和の3で割った余りだけで決まる。各箱から出るカードの余りは,0が1種類,1が2種類,2が2種類である。n桁までの桁和の余りが0である列数をAn,余り1と余り2である列数を対称性によりともにBnとおく。An+2Bn=5nと,次の1枚を加えたときのAn+1=An+4Bnから漸化式を作り,Anを求める。

解答

整数が3で割り切れるかどうかは,各桁の和が3で割り切れるかどうかで決まる。カード1,2,3,4,5を3で割った余りで分類すると 0:1,1:2,2:2 である。 n枚取り出して並べたとき,桁和を3で割った余りが0となる並べ方の数をAnとする。また,余り1となる並べ方の数と余り2となる並べ方の数は,余り1と余り2のカードの種類数がどちらも2であることから等しい。これをBnとおく。すると An+2Bn=5n である。

次に1枚を追加して,余り0になる場合を数える。前の余りが0で,余り0のカードを加える場合がAn通りある。前の余りが1で,余り2のカードを加える場合は,余り2のカードが2種類あるので2Bn通りである。前の余りが2で,余り1のカードを加える場合も2Bn通りである。したがって An+1=An+4Bn である。 Bn=(5nAn)/2を代入すると An+1=An+45nAn2=25nAn である。初期値は,1桁で余り0となるカードが3だけなので A1=1 である。

この漸化式を解く。式 An+1=25nAn に対して,An=5n+2(1)n3 が成り立つことは,n=1で正しく,さらに代入により次の項でも成り立つので帰納的に確認できる。

全体の並べ方は5n通りである。したがって求める確率は An5n=5n+2(1)n35n である。

別解

解法2

方針

1の3乗根 ω を用いる余り抽出で数える。1箱から選ぶカードの桁和生成式を F(t)=t+t2+t3+t4+t5 とすると、F(t)n の指数が3の倍数である項の係数和は t=1,ω,ω2 の3値の平均で得られる。

解答

1の3乗根ω=12+32iをとる。このとき1+ω+ω2=0,ω3=1.1箱から取り出すカードの数字を指数としてF(t)=t+t2+t3+t4+t5とおく。n 箱から選んだ数字の和が k となる列数は、F(t)ntk の係数である。

指数 k が3の倍数なら1+ωk+ω2k=3,そうでなければこの和は0である。したがって、桁和が3の倍数となる列数 AnAn=F(1)n+F(ω)n+F(ω2)n3.ここでF(1)=5.またF(ω)=ω+ω2+1+ω+ω2=1+2(ω+ω2)=1,同様に F(ω2)=1 である。よってAn=5n+2(1)n3.全事象は 5n 通りなので、求める確率はAn5n=5n+2(1)n35n.

総評

難度5,計算量4。目安時間は18分。カードを実際の数字ではなく3で割った余りに分類するのが要点である。余り1と余り2のカードがどちらも2種類あるため,余り1の列数と余り2の列数を同じBnとして扱える。漸化式An+1=25nAnまで作れれば,あとは初期値と帰納法で閉じる。確率に戻すとき,全事象が5n通りであることを忘れない。

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出典: 京都大学 2017年度 前期 理系数学 第6問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。