方針
cos(nπ/6) を複素数 ωn の実部として扱う。ω=cos(π/6)+isin(π/6) とおけば,求める和は収束する複素等比級数 ∑(ω/2)n の実部である。和 1/(1−ω/2) を実部が読める形に有理化して整理する。
解答
ω=cos6π+isin6π とおく。このとき ωn=cos6nπ+isin6nπ であるから,求める級数は n=0∑∞(21)ncos6nπ であり,これは n=0∑∞(2ω)n の実部である。 ∣ω∣=1 なので 2ω=21<1 である。したがって等比級数の和はn=0∑∞(2ω)n=1−ω/21である。
ここで ω=23+21i だから 1−2ω=1−43−41i である。よって1−ω/21=(1−43)2+(41)21−43+41iである。その実部は(1−43)2+(41)21−43である。
分母を整理すると(1−43)2+(41)2=45−23であるから,求める和は5−234−3=25−12(4−3)(5+23)=1314+33である。
別解。周期性を用いて6項ずつまとめることもできる。cos(nπ/6) は12周期であるが,等比的な重みがあるため,12項を1組にして等比級数にしても同じ値が得られる。ただし計算量は複素数を用いる方法の方が少ない。
別解
解法2(余弦級数と正弦級数の連立方程式を解く)
方針
複素数を使わず,余弦級数 C と正弦級数 S を同時に置く。加法定理で添字を1つずらした式を作ると C,S の2元連立方程式になり,C を直接求められる。
解答
r=1/2,θ=π/6 としC=n=0∑∞rncosnθ,S=n=0∑∞rnsinnθとおく。絶対収束するので添字をずらしてよい。加法定理からC=1+r(cosθC−sinθS),S=r(sinθC+cosθS)を得る。この連立方程式を解くとC=1−2rcosθ+r21−rcosθである。r=1/2,cosθ=3/2 を代入するとC=1−3/2+1/41−3/4=5−234−3=1314+33となる。したがって求める和は1314+33である。
総評
難度4、計算量3。想定時間は10分程度。三角関数を含む無限級数は,角が等差的に進むため複素数の等比級数として見るのが最短である。n=0 から始まるので初項1を含む点に注意する。最後は実部だけを取り出すため,有理化の分母と分子の符号を丁寧に処理すればよい。 初項が n=0 なので1を含む。複素数法では実部を取ること,実数法では正弦級数も同時に置くことが要点であり,どちらも分母 1−2rcosθ+r2 に一致する。
冊子PDFで見る京大の数列の問題で問題集を作る
出典: 京都大学 2021年度 前期日程 第2次学力試験 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。