Evolton

九州大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

三角形 ABC の辺 AB 上に点 P をとる。PCA=x,s=1+tanxとおく。PCB=π4,ABC=2x,BC=1のとき、次の問いに答えよ。

(1) A から BC に下ろした垂線を AH とする。
BH の長さ ys で表せ。

(2) π8xπ6の範囲で、1yy の最大値と、そのときの x を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

三角関数図形と方程式 座標設定三角比の利用微分による最大最小

方針

BC=1 を座標軸上に置く。C から出る直線 CPCA の傾き、B から出る直線 BA の傾きを q=tanx で表し、交点 A の横座標を求める。BH1その横座標であり、s=1+q に直して(1)を得る。(2)は 1yyq の式にし、範囲内で単調増加であることを確認して端点を調べる。

解答

(1)
座標を C=(0,0),B=(1,0) と置く。BCx 軸とするので、A から BC に下ろした垂線の足 H の横座標は、点 A の横座標と等しい。 q=tanx とおく。PCB=π4 だから、直線 CP の傾きは1である。また PCA=x より、直線 CAx 軸の正の向きとなす角は π4+x である。したがって直線 CA の傾きは tan(π4+x)=1+q1q である。

一方、ABC=2x だから、直線 BA の傾きは tan2x=2q1q2 である。よって直線 BAy=2q1q2(X1) と表せる。点 A の横座標を X とすると、A は直線 CA 上にもあるので 1+q1qX=2q1q2(X1) である。分母を払って整理すると (1+q)2X=2q(1X) であり、(q2+4q+1)X=2q となる。したがって X=2qq2+4q+1 である。

よって y=BH=1X=12qq2+4q+1=(q+1)2q2+4q+1 である。s=1+q だから q=s1 を代入して q2+4q+1=(s1)2+4(s1)+1=s2+2s2 である。ゆえに y=s2s2+2s2 を得る。

(2)
(1)の途中で得た式を使うと1yy=2qq2+4q+1(q+1)2q2+4q+1=2q(q+1)2である。 π8xπ6 では q=tanx も増加し、さらに 0<q<1 である。そこで φ(q)=2q(q+1)2 とおくと φ(q)=2(1q)(q+1)3>0 である。したがって最大は q が最大、すなわち x=π6 のときに起こる。

このとき q=13 だから1yy=23(1+13)2=233である。よって 最大値 233,x=π6 である。

別解

解法2

方針

三角形 ABC の3つの角を整理し、正弦定理で AB を求めてBH=ABcos2x とする。(2)は差を直接因数分解して単調性を示す。

解答

(1) C=x+π4,B=2xだからA=3π43x.正弦定理と BC=1 よりAB=sin(x+π4)sin(3π43x).また、ABC=2x だからy=BH=ABcos2x.q=tanx とおくと、三角関数の加法定理によりsin(x+π4)cos2x=cos3x2(1q)(1+q)2でありsin(3π43x)=cos3x2(1q)(q2+4q+1).したがってy=(1+q)2q2+4q+1.s=1+q を代入してy=s2s2+2s2.(2)1yy=2q(1+q)2.0<q1<q2<1 に対して2q2(1+q2)22q1(1+q1)2=2(q2q1)(1q1q2)(1+q1)2(1+q2)2>0.よってこの式は 0<q<1 で増加する。
tanx も与えられた区間で増加するので、最大はx=π6で生じる。このとき q=1/3 だから、最大値は2/3(1+1/3)2=233.

総評

三角形の角度条件を座標と傾きに変換する問題である。目安時間は20分。CP の傾きが1、CA の傾きが tan(π4+x)BA の傾きが tan2x になることを正しく配置するのが山である。(2)は式変形後に q=tanx の単調性と φ(q)>0 を書けば、端点最大である理由が明確になる。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。高校数学の範囲内で完結させた。

冊子PDFで見る九大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1992年度 前期 文系 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。