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九州大学 1989年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

(1) a>0, b>0 のとき、2曲線y=cos2xa,y=sin2xbの交点の x 座標で最小な正の値を求めよ。

(2) a>0 として、4曲線C1:y=cos2xa,C2:y=sin2xa,C3:y=cos2xa+1,C4:y=sin2xa+1を考える。pC1C2 の交点の x 座標で最小な正の値とし、qC3C4 の交点の x 座標で最小な正の値とする。このとき、pxq の範囲で、この4曲線によって囲まれる図形の面積を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安34

三角関数積分 三角比の利用面積計算、場合分け

方針

(1) は2乗を倍角へ直して和積公式を使い、2種類の零点候補のうち小さい方を選ぶ。(2) は p,q の間で4本の境界が切り替わる最初の点 r を求め、p から rr から q の2区間に分けて縦の長さを積分する。

解答

(1)
交点の条件はcos2xa=sin2xb.倍角公式と和積公式より0=cos2xa+cos2xb=2cos{x(1a+1b)}cos{x(1a1b)}.第1の因子が初めて0になる正の xx=πab2(a+b).第2の因子が与える最小の正の値は、ab のときπab2abであり、ab<a+b だから前者より大きい。a=b のとき第2の因子は0にならない。したがってx=πab2(a+b).(2)
まずp=πa4,q=π(a+1)4.C2C3 が最初に交わる点を r とする。(1) に
b=a+1 を用いてr=πa(a+1)2(2a+1).実際、rp=2(a+1)2a+1>1,rq=2a2a+1<1なのでp<r<q.またra+ra+1=π2であるため、同じ rC1C4 も交わる。

pxr ではπ4xa<π2,xa+xa+1π2である。したがってこの区間の上下の境界は C2,C1 である。一方、rxq では0<xa+1π4だから、上下の境界は C3,C4 である。

よって面積 SS=pr(sin2xacos2xa)dx+rq(cos2xa+1sin2xa+1)dx=prcos2xadx+rqcos2xa+1dx.したがってS=[a2sin2xa]pr+[a+12sin2xa+1]rq=a2(1sinπa2a+1)+a+12(1sinπa2a+1).ゆえにS=2a+12(1sinπa2a+1).

別解

解法2:最初の交差を角の和で捉える

方針

最小の正の交点までは角が第1象限にあるため、2乗を外して cosu=sinv と考え、u+v=π/2 を直接使う。(2) は2つの境界部分を直線 y=1/2 の上下対称な幅として計算する。

解答

(1) u=xa,v=xbとする。x>0 を0から増やすと、u+v<π/2 の間はcosu>sinv0だから、まだ2曲線は交わらない。最初の交点ではcosu=sinv=cos(π2v)となり、u+v=π2.したがってx(1a+1b)=π2よりx=πab2(a+b).(2)p=πa4,q=π(a+1)4である。p から右へ進むと、C2C3 の最初の交点はra+ra+1=π2を満たすからr=πa(a+1)2(2a+1).このときC2(r)=C3(r),C1(r)=C4(r)である。

各組はC1+C2=1,C3+C4=1を満たすので、直線 y=1/2 に関して上下対称である。したがって求める面積は、上半分の面積を2倍してS=2{pr(sin2xa12)dx+rq(cos2xa+112)dx}.倍角公式を使えばS=prcos2xadx+rqcos2xa+1dx=2a+12(1sinπa2a+1).よってS=2a+12(1sinπa2a+1).0<a<1/2 では C1,C2 に後続の交点も現れるが、ここでは p から最初の切替点 r を経て q に至る4本の弧が作る、原問題の標準的な閉領域を求めている。

総評

難度7、計算量7。最小の正の交点を正確に選び、4曲線の境界が切り替わる位置を図と式で対応させる問題で、想定時間は34分程度。過去の保存解答にあった「0<a<1/2 では条件不足」という結論は撤回した。原典画像と当時問題を扱う外部解答例を照合し、出題意図どおり p から最初の切替点 r を経て q に至る閉領域を全ての a>0 で計算した。和積公式と第1象限での角の和を相互照合し、p<r<q と面積の正値性も確認した。

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出典: 九州大学 1989年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。