方針
曲線上の点 (x,y) と、法線が通る点 (0,cy) を結んで法線の傾きを表す。接線の傾き dxdy との積が −1 になることから微分方程式を得る。(2)は変数分離の形で積分し、(0,1) を通る条件で定数を決める。(3)は c<1 で得られるだ円を x 軸のまわりに回転し、π∫y2dx で体積を計算する。
解答
(1)
曲線上の点を (x,y) とする。この点における法線は (0,cy) を通るので、x=0 のとき法線の傾きは 0−xcy−y=x(1−c)y である。
接線の傾きは dxdy であり、接線と法線は垂直だから dxdy⋅x(1−c)y=−1 である。両辺を整理して (c−1)ydxdy=x を得る。x=0 の点でも、得られた式は連続的に同じ関係を表している。
(2)
(1)の微分方程式を積分する。 (c−1)ydxdy=x より (c−1)ydy=xdx と見て積分すると (c−1)y2=x2+C と書ける。曲線は (0,1) を通るので c−1=C である。したがって (c−1)y2=x2+c−1 であり、y2=1+c−1x2 である。 c>1 のときは y2−c−1x2=1 となり、上下に開く双曲線である。c<1 のときは y2=1−1−cx2 すなわち 1−cx2+y2=1 となり、x 軸方向の半径が 1−c、y 軸方向の半径が1のだ円である。
(3) c<1 とし、α=1−c とおく。このとき曲線は y2=1−α2x2(−α≦x≦α) である。これを x 軸のまわりに回転してできる体積はV=π∫−ααy2dx=π∫−αα(1−α2x2)dxである。計算するとV=π[x−3α2x3]−αα=π(12α−32α)=34πα.これが π に等しいので 34α=1 であり、α=43 である。したがって 1−c=α2=169 より c=167 である。
別解
解法2
方針
微分方程式を y2 の導関数として積分する。c<1 では得られた楕円の回転体を、単位球を x 方向へ拡大・縮小した立体として扱う。
解答
(1)
曲線上の点を (x,y) とする。法線は (0,cy) を通るので、その傾きは0−xcy−y=x(1−c)y.接線との傾きの積が −1 だからdxdy⋅x(1−c)y=−1.よって(c−1)ydxdy=x.(2)dxd(y2)=2ydxdy=c−12x.積分してy2=c−1x2+C.(0,1) を通るから C=1 でありy2=1+c−1x2.c>1 ではy2−c−1x2=1という双曲線、c<1 では1−cx2+y2=1という楕円である。
(3)
c<1 としα=1−cとおく。楕円はα2x2+y2=1.これを x 軸のまわりに回転した立体は、半径1の球を x 方向だけ
α 倍したものになる。したがって体積はV=α⋅34π.V=π よりα=43.ゆえに1−c=169,c=167.
総評
法線の通過点から微分方程式を作る問題である。目安時間は24分。(1)では法線の傾きを x(1−c)y と書き、接線との垂直条件を使う。(2)では積分定数を (0,1) で決めた後、c>1 と c<1 で図形が変わることを明示する。(3)は c<1 なのでだ円になり、回転体積は π∫y2dx で処理する。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。高校数学の範囲内で完結させた。
冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1992年度 前期 理系 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。