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九州大学 1994年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

abをある実数とし,I=abexsinxdx,J=abexcosxdxとする.

(1) 2つの等式IJ=easinaebsinb,I+J=eacosaebcosbが成り立つことを示せ.

(2) nを正の整数とし,区間[(n1)π,nπ]において,
関数y=exsinxのグラフとx軸とで囲まれた部分の面積Anを求めよ.

(3) An (n=1,2,)の総和S=n=1Anを求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

積分指数・対数数列 部分積分、面積計算和の計算

方針

(1)exsinxexcosx を微分し、IJI+J の形に合わせる。(2)では各区間で sinx の符号が一定なので、符号を見て絶対値つきの積分にする。原始関数で直接計算してもよいし、(1)の等式に端点を代入して I を求めてもよい。(3)は An が公比 eπ の等比数列になることを確認して和を取る。

解答

(1)

まずddx(exsinx)=excosxexsinx=ex(cosxsinx)である。したがってIJ=abex(sinxcosx)dx=abddx(exsinx)dxであるから IJ=easinaebsinb. またddx(excosx)=excosxexsinx=ex(sinx+cosx)である。よってI+J=abex(sinx+cosx)dx=abddx(excosx)dxとなり I+J=eacosaebcosb を得る。

(2)

区間 [(n1)π,nπ] では sinx の符号は一定である。したがって面積は An=(n1)πnπexsinxdx である。

原始関数は exsinxdx=12ex(sinx+cosx) である。よって(n1)πnπexsinxdx=(1)n+12(enπ+e(n1)π)となる。絶対値を取ればAn=12(enπ+e(n1)π)=1+eπ2enπ.(3)

(2) より An=1+eπ2enπ である。したがってS=n=1An=1+eπ2n=1enπ.ここで 0<eπ<1 なので n=1enπ=eπ1eπ. よってS=1+eπ2eπ1eπ=1+eπ2(1eπ).

別解

解法2

方針

e(1+i)x の実部・虚部を用いて I,J を一度に計算する。端点が整数倍の π の場合へ代入し、絶対値で各面積を得て等比級数を足す。

解答

K=abe(1+i)xdxとおくとK=J+iI.(1)K=[e(1+i)x1+i]ab=1+i2(eb(cosb+isinb)ea(cosa+isina)).実部と虚部を比較して整理するとIJ=easinaebsinb,I+J=eacosaebcosb.(2)
a=(n1)π,b=nπ とする。端点で正弦は0なので第一式から I=J である。第二式と合わせると2I=(1)n1(e(n1)π+enπ).区間内で正弦の符号は一定だからAn=I=12(e(n1)π+enπ).(3)S=1+eπ2n=1e(n1)π=1+eπ2(1eπ).

総評

微分公式から二式を別々に導く方法と、複素指数で二積分を同時に扱う方法を示した。面積では定積分そのものではなく絶対値を取る。Ane(n1)π の形に揃えると、初項と公比を取り違えずに無限等比級数を計算できる。

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出典: 九州大学 1994年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。