方針
(1) は媒介変数表示の面積を −∫ydx で計算する。曲線の向きを確認し、dx/dθ=−2asin2θ を代入して三角関数の積の積分に直す。(2) は s=sinθ と置いて F を三次式にし、導関数の正の解が最大点になることを端点との比較も含めて確認する。
解答
(1)
媒介変数表示は x=acos2θ,y=bsin3θ である。したがって dθdx=−2asin2θ である。 θ=−π/3 と θ=π/3 ではどちらも x=−a/2,y=0 となり、曲線は閉じている。−π/3<θ<0 では y<0、0<θ<π/3 では y>0 で、面積は S=−∫−π/3π/3ydθdxdθ で与えられる。よって S=2ab∫−π/3π/3sin3θsin2θdθ である。
積和の公式より sin3θsin2θ=21(cosθ−cos5θ) なので∫−π/3π/3sin3θsin2θdθ=[sinθ−51sin5θ]0π/3である。ここで sin(π/3)=3/2、sin(5π/3)=−3/2 だから∫−π/3π/3sin3θsin2θdθ=533である。したがって S=563ab である。
(2)
曲線上で F=x+y=acos2θ+bsin3θ である。s=sinθ とおくと、−3/2≦s≦3/2 であり、cos2θ=1−2s2,sin3θ=3s−4s3 だから F=a(1−2s2)+b(3s−4s3) である。
これを s で微分すると dsdF=−4as+3b−12bs2 である。臨界点は 12bs2+4as−3b=0 の解であり、s=6b−a±a2+9b2 である。正の解を s0=6ba2+9b2−a とする。 F′(0)=3b>0 であり、F′(3/2)=−23a−6b<0 なので、正の解 s0 は範囲内にあり、そこで増加から減少に変わる。端点では F=−a/2 である一方、F(0)=a なので、最大点はこの正の解で与えられる。したがって sinθ0=6ba2+9b2−a である。
別解
解法2
方針
曲線の上下対称性を使って上半分だけを積分する。(2) は θ で直接微分し、cosθ>0 を利用して sinθ の二次方程式へ落とす。
解答
(1)
x(−θ)=x(θ)、y(−θ)=−y(θ) なので曲線は x 軸対称である。0≦θ≦π/3 では上半分を描き、x は a から −a/2 へ減少する。よってS=2∫0π/3y(−dθdx)dθ=4ab∫0π/3sin3θsin2θdθ.積和公式から∫0π/3sin3θsin2θdθ=21[sinθ−51sin5θ]0π/3=1033.したがってS=563ab.(2)F(θ)=acos2θ+bsin3θを直接微分するとF′(θ)=−2asin2θ+3bcos3θ.cosθ>0 であり、sin2θ=2sinθcosθ,cos3θ=cosθ(1−4sin2θ)だから、s=sinθ としてF′(θ)=cosθ{3b−4as−12bs2}.臨界点は12bs2+4as−3b=0の解である。正の解s0=6ba2+9b2−aで導関数は正から負へ変わり、端点の値 −a/2 よりも F(0)=a の側で大きい。したがって最大点はこの正の解であり、sinθ0=6ba2+9b2−a.
総評
媒介変数表示の面積と三角関数の最大化を組み合わせた問題。目安時間は30分。(1) は曲線の向きを確認して符号を決めることが重要で、−∫ydx の形にすれば積分は短い。(2) は s=sinθ への置換後、正の臨界点が本当に最大を与えることを端点と導関数の符号で確認したい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲まで確認した。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1996年度 後期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。