方針
文系第4問(b)と同じ構造をラジアンで扱う。回転後の点をw=α+(z−α)(cosθ+isinθ)と表し、∣w∣=∣α∣/2をzの円の方程式に直す。(3)はαが実数のとき、中心の実部と半径の一致が虚軸への接触条件であることを使う。
解答
(1)
α=i, θ=π/2である。点zを点iのまわりにπ/2だけ回転した点をwとすると w=i+(z−i)i=i(z+1−i) である。条件は∣w∣=∣i∣/2=1/2だから ∣z+1−i∣=21 である。したがって軌跡は、中心−1+i、半径1/2の円である。
(2) u=cosθ+isinθとおく。回転後の点は w=α+(z−α)u である。条件∣w∣=∣α∣/2において、∣u∣=1であるから ∣u−1w∣=2∣α∣ である。すなわち ∣z+α(u−1−1)∣=2∣α∣ である。ここでu−1=cosθ−isinθだから ∣z−α(1−cosθ+isinθ)∣=2∣α∣ となる。したがって軌跡は、中心 α(1−cosθ+isinθ) 半径 2∣α∣ の円である。
(3)
αが0でない実数であるとき、中心の実部は α(1−cosθ) であり、半径は∣α∣/2である。虚軸に接する条件は ∣α(1−cosθ)∣=2∣α∣ である。0≦θ<2πでは1−cosθ≧0だから 1−cosθ=21 である。よって cosθ=21 となり θ=3π,35π である。
別解
解法2
方針
回転後の円を逆回転する等長変換として考える。中心0・半径 ∣α∣/2 の円の逆像を求めれば、複素式の展開を最小限にして中心と半径が分かる。
解答
回転後の点 w はw=α+eiθ(z−α)だからz=α+e−iθ(w−α).(1)
α=i,θ=π/2 のとき、中心0、半径 1/2 の w の円は、逆変換により中心i−ie−iπ/2=−1+iへ移る。従って∣z+1−i∣=21.(2)
一般の中心はα−αe−iθ=α(1−cosθ+isinθ),半径は等長変換により ∣α∣/2 のままである。
(3)
α が0でない実数なら、中心から虚軸までの距離は∣α∣(1−cosθ).半径と等しい条件からcosθ=21,従ってθ=3π,35π.\Needspace{8cm}
総評
複素数平面上の回転を円の軌跡へ直す問題で、目安時間は25分前後。wの式を作った後、zを中心とする円の形にするためにu−1を掛けるのが安全である。中心の符号を取り違えると(1)の中心−1+iと合わなくなるので、特殊例で検算するとよい。(3)は虚軸との接触であり、中心から虚軸までの距離だけを見ればよい。
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出典: 九州大学 1997年度 前期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。