方針
と見て、3倍角公式から3次方程式を作る。(2)では符号変化で3つの実数解があることを示し、有理根定理で有理数解がないことを確認する。(3)は背理法で、もし が有理数係数2次方程式の解なら、3次式 とその2次式が共通根をもつ。割り算の余りを考えると、有理数解または有理係数1次因子が出てしまい、(2)と矛盾する。
解答
(1) なので である。したがって である。
3倍角公式 に を代入する。 だから である。よって は の解である。
(2) とおく。 なので、 と の間に実数解がある。また なので、 と0の間にも実数解がある。さらに なので、1と2の間にも実数解がある。3次方程式の解は高々3個なので、この方程式は3個の実数解をもつ。
次に有理数解がないことを示す。 は最高次係数1、定数項 の整数係数多項式である。有理数解をもつなら、その解は整数で、しかも に限られる。しかし である。したがって有理数解はない。よって3個の実数解はいずれも有理数ではない。
(3)
背理法で示す。 を解にもつ有理数係数の2次方程式が存在すると仮定する。その左辺を とする。必要なら定数倍して、 は有理数係数の2次式であるとしてよい。 を で割ると、余りは高々1次の有理数係数多項式である。これを とする。、 だから である。
もし が0でない1次式なら、 より は有理数である。これは(2)に反する。もし が0でない定数なら、 は不可能である。したがって余りは0でなければならない。
余りが0なら、 は を割り切る。すると は有理数係数の1次式を因数にもつので、有理数解をもつことになる。これも(2)に反する。よって仮定は誤りであり、 を解とする有理数係数の2次方程式は存在しない。
別解
解法2(単位根と既約3次多項式)
方針
として を利用する。
得られる3次式に有理根がないことから、既約性と2次方程式の不存在をまとめて示す。
解答
(1)
である。恒等式とより(2)
の3根はで、相異なる実数である。有理根があれば有理根定理から に限るが、
どちらも代入して0にならない。従って3根はいずれも無理数である。
(3)
は有理根をもたない3次式なので、有理数係数上で既約である。
もし が有理数係数の2次方程式を満たせば、その2次式と上の既約3次式は
を共通根にもつ。両式の最大公約多項式は1次以上になるが、
既約3次式の約数は定数倍を除き1と自分自身だけであり、次数2の式を割れない。
矛盾である。従ってそのような2次方程式は存在しない。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安は25分。 と3倍角公式を結びつけることが入口である。(2)では3つの実数解の存在と、有理数解がないことを別々に示す必要がある。(3)は「2次方程式があるなら3次式と共通因子をもつ」という発想で、割り算の余りを使うと背理法が明確になる。