方針
点対称と線対称は、まず座標公式を作ってからグラフに適用する。(2)では3次関数を変曲点の 座標 のまわりに平行移動し、差 が の奇関数になることを示す。(4)では、仮に縦直線 に関して線対称なら がすべての で成り立つはずなので、3次の項が消えないことから矛盾を出す。
解答
(1)
点 とその対称点を とする。点 がこの2点の中点になるので である。したがって である。
(2) とおく。3次関数の2次の項を消すために とおく。 として を計算すると である。 だから2次の項は消え、 となる。右辺は の奇関数である。
したがって、グラフ上の点 に対して、点 は を満たす。これは2点が に関して対称であることを意味する。よって はこの点に関して点対称である。
(3)
直線 に関する対称では、 座標は変わらず、 座標だけが をはさんで反対側へ移る。したがって点 の対称点は である。
(4)
もし が直線 に関して線対称であるなら、任意の実数 について、点 の対称点 も 上にある。したがって がすべての で成り立つはずである。
ところが を計算すると、最高次の項として が現れる。これは恒等的に0にはならない。したがって はすべての では成り立たない。
よって は 軸に平行などんな直線に関しても線対称でない。
別解
解法2
方針
の平行移動で3次関数を「定数+奇関数」の形にする。
対称変換を新しい座標で書けば、点対称性と縦軸に関する
線対称性の不可能性を係数比較だけで判定できる。
解答
(1)
点 が と対称点 の中点だから(2)
、 とおく。展開すると右辺の定数項以外は の奇関数なのでよって は点 に関して点対称である。
(3)
直線 は対称な2点の 座標の中点であり、
座標は変えない。したがって対称点はである。
(4)
仮に に関して線対称なら、
は を満たす偶関数である。
しかし平行移動しても の最高次項は であり、
の最高次項は である。係数1とは一致しない。
よってどの に対しても線対称にはならない。
総評
座標上の対称公式と3次関数の変曲点対称を組み合わせる標準問題。難度は標準、計算量は中程度で、目安時間は16〜20分。(2)では と置いて2次の項を消すのが本質で、変曲点という言葉だけで済ませず、 が奇関数になる計算を残すとよい。(4)は線対称なら が必要、という必要条件に直すと短い。3次の最高次項 が消えないことが、どの縦直線でも線対称にならない理由である。