Evolton

九州大学 2007年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

関数f(x)={xlogx(x>0)0(x=0)xlogx(x<0)について,以下の問いに答えよ.

(1) t0のとき,
不等式et1+t+t22が成り立つことを証明せよ.

(2) 次の2つの極限を証明せよ.limt+ett=+,limx+0xlogx=0(3) aを実数の定数とするとき,
xについての方程式f(x)=aの異なる実数解の個数を求めよ.

(4) 次の値を求めよ.S=limc+0c1f(x)dx

難易度6/ 10計算量6/ 10目安30

指数・対数微分積分 不等式評価グラフの概形面積計算

方針

(1)et1tt22 を置き,2回微分して t0 で増加性を積み上げる。(2)は(1)から et/tt/2 を得て発散を示し,x=et と置いて x+0t+ に変換する。(3)は x>0xlogxx=0x<0tlogt を別々に増減表として考え,境界値 1/e,0,1/e で個数が変わることを整理する。(4)は 0<x<1xlogx<0 であることから絶対値を外し,部分積分で求める。

解答

(1) ϕ(t)=et1tt22 とおく。すると ϕ(0)=0 であり,ϕ(t)=et1t,ϕ(t)=et1 である。t0 では et1 だから ϕ(t)0 である。したがって ϕ(t)t0 で増加し,ϕ(0)=0 より ϕ(t)0 である。さらに ϕ(t)t0 で増加し,ϕ(0)=0 だから ϕ(t)0 である。よって et1+t+t22(t0) が成り立つ。

(2)

(1) より,t>0 では ett22 である。したがって ettt2 であり,右辺は t++ に発散する。よって したがってlimt+ett=+である。

次に x=et とおくと,x+0t+ に対応する。このとき xlogx=et(t)=tet である。上で示した et/t+ より tet0 なので したがってlimx+0xlogx=0である。

(3)

まず x>0 の部分を考える。y=xlogx とすると y=logx+1 であるから,x=1/e で最小となり,その最小値は 1elog1e=1e である。また x+0xlogx0x=1 で0,x>1 では正で増加して + に向かう。

次に x<0 の部分を考える。t=x>0 とおくと f(x)=tlogt である。0<t<1 では tlogt であり,これは t=1/e で最大値 1/e をとり,両端 t+0t=1 で0になる。t>1 では tlogt であり,0から + へ増加する。

さらに x=0 では f(0)=0 である。以上を合わせると,方程式 f(x)=a の異なる実数解の個数はaa<1e1e1e<a<0a=00<a<1ea=1e1e<a個数0123432である。

(4) 0<x<1 では logx<0 なので f(x)=xlogx<0 である。したがってS=limc+0c1xlogxdx=01(xlogx)dxである。

部分積分を行うとc1xlogxdx=[x22logx]c1c1x2dx=c22logc1c24である。ここで(2)と同様に clogc0 であり,さらに c2logc=c(clogc)0 である。よって01xlogxdx=14となる。したがって S=14 である。

水平線 y=a との交点を、正の枝・負の枝・原点に分けて数える。

総評

難度6,計算量6。不等式,極限,グラフの増減,広義積分がつながった総合問題である。(3)では正の枝 xlogx と負の枝 tlogt を混ぜずに数えることが重要で,特に a=0 では x=1,0,1 の3解になる。a=1/e でも負側の山の頂点と t>1 側の解を分けて数える必要がある。目安時間は25分から30分。

冊子PDFで見る九大の指数・対数の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2007年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。