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九州大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

自然数nに対して,
an=(cos2n)(cos2n1)(cos2)(cos1)とおく。
ただし,角の大きさを表すのに弧度法を用いる。
このとき,次の問いに答えよ。

(1) a1=sin44sin1を示せ。

(2) an=sin2n+12n+1sin1を示せ。

(3) an<22n+1を示せ。

難易度4/ 10計算量3/ 10目安10

三角関数数列 数学的帰納法三角比の利用不等式評価

方針

倍角公式 sin2x=2sinxcosx を連続して用い,積 cos1cos2cos2nsin2n+1sin1 の商に直す。(1)はその最初の確認であり,(2)は同じ操作を一般の n まで反復する。最後は sin2n+11 と,1>π/4 から従う sin1>2/2 を組み合わせて,上から評価する。

解答

(1)

倍角公式を2回用いると sin4=2sin2cos2=2(2sin1cos1)cos2=4sin1cos1cos2 である。sin10 だから両辺を 4sin1 で割って a1=cos2cos1=sin44sin1 を得る。

(2) sin2k+1=2sin2kcos2kk=0,1,,n について順に用いると,sin2n+1=2sin2ncos2n=22sin2n1cos2n1cos2n==2n+1sin1(cos1)(cos2)(cos2n)となる。したがって an=(cos2n)(cos2)(cos1)=sin2n+12n+1sin1 である。

(3)

任意の実数 t について sint1 であり,また 0<π/4<1<π/2 なので sin1>sin(π/4)=2/2 である。(2)よりan=sin2n+12n+1sin112n+1sin1<22n+1となり,示すべき不等式が従う。sin2n+1<0 の場合も,上からの評価なのでそのまま成り立つ。

別解

解法2

方針

an+1=ancos2n+1 という積の漸化式を使い,(1)を初期値として(2)を数学的帰納法で証明する。(3)は主解法と同じく,分子の正弦を1以下,分母の sin12/2 より大きいと評価する。

解答

(1) 倍角公式を2回使うとsin4=2sin2cos2=4sin1cos1cos2である。よってa1=cos1cos2=sin44sin1となる。

(2) (1)が n=1 の場合に当たる。ある自然数 n についてan=sin2n+12n+1sin1が成り立つと仮定する。定義からan+1=ancos2n+1=sin2n+1cos2n+12n+1sin1=sin2n+22n+2sin1である。したがって数学的帰納法により,全ての自然数 n で所要の式が成り立つ。

(3) 0<π/4<1<π/2 よりsin1>sinπ4=22である。また sin2n+11 なので,(2)からan12n+1sin1<22n+1を得る。分子が負の場合にも,この上からの評価はそのまま成り立つ。

総評

難度4,計算量3。中心は倍角公式の反復で,積の順序に惑わされず 1,2,4,,2n と角が倍々になることを見抜ければ短くまとまる。(3)では an の符号を調べる必要はなく,sin2n+11 による上からの評価で十分である。sin1>2/2 は弧度法で 1>π/4 と読む点が採点上の要所で,ここを sin1<1 だけで処理すると目標の定数に届かない。標準的には8分前後で完答したい。

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出典: 九州大学 2008年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。