方針
(1) (2)はgをfの0からxまでの積分として定め,仮定を に変える. を掛けると左辺が積の微分になるので,積分してgを評価し,元の仮定へ戻してfを評価する.(3)はyとzの差を積分表示し,Fの条件から絶対値を積分で押さえる.(4)は(2)と同じ不等式評価をhに適用し, と合わせて を示す.
解答
(1) とおくと,fは連続なので である.仮定はであるから, と書ける.したがって である.
ここでだから,より が成り立つ.
(2)
(1) の不等式を0からxまで積分する. であるからすなわち である.よって となる.
仮定に戻すと である.したがって が示された.
(3)
与えられた積分方程式からである.両辺の絶対値を取ると,三角不等式によりである.さらにFの条件 をに適用すると である.したがってが成り立つ.
(4)
(3) よりである.ここで(2)の証明はの場合にもそのまま成り立つ.実際,,,として同じ議論を用いると となる.一方でだから である.よって であり,すべてので が成り立つ.
別解
別解((4)の反復評価)
方針
(3) の不等式を自分自身へ繰り返し代入する.有限区間でのhの最大値をHと置くと,n重積分から が得られ, で0になる.
解答
(1)
に積分因子 を掛ける解法1の計算により(2)
(1) を0からxまで積分して を得る.これを元の仮定へ戻すと(3)
2つの積分方程式の差を取り,Fの条件を使えば(4)
任意に を固定する.hは で連続だから,最大値を持つ.(3)より, で右辺のhにも同じ不等式を代入し,これをn回繰り返すとを得る.
固定したxに対して であるから, とすればよって であり, で が成り立つ.Xは任意なので,すべての でである.
総評
難度7,計算量5,目安時間28分.(1)(2)は積分因子 による不等式評価,(3)は絶対値とFのリプシッツ条件の適用である.(4)には,(2)を として使う解法と,有限区間上の最大値から を得る反復評価の別解を収録した.後者は一意性が生まれる仕組みを直接示している.