方針
(1) の式の係数を揃えると,反復するたびに変化する部分をにまとめられる。
次に二つの絶対値を2乗して引き,分母が0にならない条件を作る。
係数の反復と分母の確認を同時に進める
。同じ形の分数式を二つ合成すると,係数のパラメータが積になる。
(3)ではを入れた式を予想し,とに分けて分母を確かめる。
なので,が大きくなるとは0に近づく。
ただし,極限を計算する前に,列のすべての項が定義できることを示す必要がある。
(2)の「すべての」では,実部が最小になる向きも含めて調べる。
解答
(1) を代入すると整理して,よって実際,この値を求める式の分子・分母に代入して2倍すると,元のの係数とすべて一致する。
(2) ,,とおく。の円を動くともの円を動くので,等号となるも実現する。
したがって,すべてので求める不等式が成り立つための必要十分条件は
である。
でこの最小値は順に最後の正値はから分かる。よって(3) をと書く。合成が定義できるとき,分子・分母を展開して整理するととなる。実際,合成後の分子は
,分母は
である。
まずとし,を用いて一般にはと予想する。
分母をとおく。
なので,ならである。
二つの絶対値の2乗の差はで11,で。
ではだから,(2)と同じ評価でしたがってすべてのでであり,でもある。
では予想した式はとなる。
で成り立つと仮定すると,元のの分母にを代入した値はゆえにが定義でき,合成の公式からとなる。
数学的帰納法で,列の定義と予想した式の両方が示された。
(4) であり,よりである。
したがって極限は実数なので
別解
別解・背景
方針
二つの固定点からの差の比を使う別解。
解答
分数式のまま反復する代わりに,とからの差を比べる。
直接計算するとよってとおけば
となる。
答案で示した分母の確認を用いると,も順に分かり,
が成り立つ。
この式をについて解くと(3)の式が得られ,(4)の極限も求まる。
極限へ進む前に,途中の分母と,差の比で割るを確認する。
式の形が規則的でも,定義されていない項を含めて帰納法を進めることはできない。
総評
分数式を一つのパラメータで表すと、合成はパラメータの積に対応する。絶対値を2乗して実部を評価し、列を定義する分母と極限の分母を確かめる。