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九州大学 2025年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

3(i−1)z≠−(7+i)となる複素数zに対し,複素数f(z)をf(z)=(5+3i)z+3(i−1)3(i−1)z+7+iと定める。以下の問いに答えよ。

(1) 3(i−1)z≠−(7+i)となるすべての複素数zに対し,f(z)=(1+3λ)z+3(λ−1)3(λ−1)z+3+λとなる複素数λをλ1と定める。λ1を求めよ。

(2) 複素数λ1を(1)で定めたものとする。
∣z∣=∣λ1∣となるすべての複素数zに対し
∣3+zm∣>∣3(zm−1)∣が成り立つ最小の自然数mを求めよ。

(3) ∣z∣=1となる複素数zに対し,複素数の列z0,z1,z2,…を次のように定める。
z0=zとし,自然数nに対してzn−1まで定まったときzn=f(zn−1)とする。
このとき,z2をzを用いて表しznを推測せよ。また,その結果を数学的帰納法で証明せよ。

(4) ∣z∣=1となる複素数zに対し,複素数znを(3)で定めたものとする。
rnをznの虚部とするとき,lim⁡n→∞rnを求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10

複素数平面、数列、論証・証明 実部虚部比較、絶対値の処理、数学的帰納法

方針

(1) の式の係数を揃えると,反復するたびに変化する部分をλにまとめられる。
次に二つの絶対値を2乗して引き,分母が0にならない条件を作る。
係数の反復と分母の確認を同時に進める
λ1=(1+i)/2。同じ形の分数式を二つ合成すると,係数のパラメータが積になる。
(3)ではλ1nを入れた式を予想し,n=1,2とn≥3に分けて分母を確かめる。

∣λ1∣<1なので,nが大きくなるとλ1nは0に近づく。
ただし,極限を計算する前に,列のすべての項が定義できることを示す必要がある。
(2)の「すべてのz」では,実部が最小になる向きも含めて調べる。

解答

(1) z=0を代入するとλ1−13+λ1=i−17+i.整理して8λ1=4+4i,よってλ1=1+i2.実際,この値を求める式の分子・分母に代入して2倍すると,元のf(z)の係数とすべて一致する。

(2) ρ=∣λ1∣=1/2,w=zm,r=∣w∣=ρmとおく。∣3+w∣2−3∣w−1∣2=6+12Re⁡w−2∣w∣2≥6−12r−2r2.∣z∣=ρの円を動くとwも∣w∣=rの円を動くので,等号となるw=−rも実現する。
したがって,すべてのzで求める不等式が成り立つための必要十分条件は
6−12ρm−2ρ2m>0である。
m=1,2,3でこの最小値は順に5−62<0,−12<0,234−32>0.最後の正値は232>(122)2から分かる。よってm=3.(3) Fu(z)をFu(z)=(1+3u)z+3(u−1)3(u−1)z+3+uと書く。合成が定義できるとき,分子・分母を展開して整理するとFu(Fv(z))=Fuv(z)となる。実際,合成後の分子は
4(1+3uv)z+43(uv−1),分母は
43(uv−1)z+4(3+uv)である。
まずu=v=λ1とし,λ12=i/2を用いてz2=(2+3i)z+3(i−2)3(i−2)z+6+i.一般にはzn=(1+3λ1n)z+3(λ1n−1)3(λ1n−1)z+3+λ1nと予想する。

分母をDn=3(λ1n−1)z+3+λ1nとおく。
∣z∣=1なので,∣3+λ1n∣>∣3(λ1n−1)∣ならDn≠0である。
二つの絶対値の2乗の差はn=1で11,n=2で11/2。
n≥3では∣λ1n∣≤1/(22)だから,(2)と同じ評価で∣3+λ1n∣2−3∣λ1n−1∣2≥234−32>0.したがってすべてのn≥1でDn≠0であり,D0=4≠0でもある。

n=0では予想した式はz0=zとなる。
n−1で成り立つと仮定すると,元のfの分母にzn−1を代入した値は3(i−1)zn−1+7+i=8DnDn−1≠0.ゆえにznが定義でき,合成の公式からzn=Fλ1n(z)となる。
数学的帰納法で,列の定義と予想した式の両方が示された。

(4) λ1n→0であり,∣z∣=1より3−3z≠0である。
したがってzn⟶z−33−3z=−13.極限は実数なのでlim⁡n→∞rn=0.

別解

別解・背景

方針

二つの固定点からの差の比を使う別解。

解答

分数式のまま反復する代わりに,3と−1/3からの差を比べる。
直接計算するとFu(z)−3=4(z−3)3(u−1)z+3+u,Fu(z)+13=4u(z+1/3)3(u−1)z+3+u.よってT(z)=(z+1/3)/(z−3)とおけば
T(Fu(z))=uT(z)となる。
答案で示した分母の確認を用いると,zn≠3も順に分かり,
T(zn)=λ1nT(z)が成り立つ。
この式をznについて解くと(3)の式が得られ,(4)の極限も求まる。

極限へ進む前に,途中の分母と,差の比で割るzn−3を確認する。
式の形が規則的でも,定義されていない項を含めて帰納法を進めることはできない。

総評

分数式を一つのパラメータで表すと、合成はパラメータの積に対応する。絶対値を2乗して実部を評価し、列を定義する分母と極限の分母を確かめる。

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出典: 九州大学 2025年度 後期日程 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。