方針
(1) は y=tanx の微分公式から dy/dx=1+y2 とする。(2)は誘導どおり y=tanx と置換し,x=0 から y=0,x=π/4 から y=1,dx=dy/(1+y2) を代入する。分子 y4−y2−2 が (y2−2)(y2+1) と因数分解できるため,1+y2 が消えて簡単な有理式になる。最後は 2/(y2−4) を部分分数分解し,区間 0≦y≦1 で絶対値付き対数の中身を丁寧に評価する。
解答
(1)
y=tanx であるから,dxdy=1+tan2x である。したがって y を用いると dxdy=1+y2 である。
(2)
y=tanx とおく。(1)より dx=1+y2dy である。また,x=0 のとき y=0,x=4π のとき y=1 である。
したがって,求める積分を I とするとI=∫01(y2−4)(1+y2)y4−y2−2dy.ここで y4−y2−2=(y2−2)(y2+1) であるから,I=∫01y2−4y2−2dy となる。さらに y2−4y2−2=1+y2−42 である。
部分分数分解するとy2−42=(y−2)(y+2)2=21(y−21−y+21)である。よってI=∫01{1+21(y−21−y+21)}dy=[y+21log∣y−2∣−21log∣y+2∣]01.ここで 0≦y≦1 では y−2<0,y+2>0 である。したがってI=1+21(log1−log3)−21(log2−log2)=1−21log3.よって求める値は 1−21log3 である。
総評
公式の出題意図は、三角関数の微分と置換積分ができるかを問うとしている。
tanx 置換がそのまま誘導されている積分問題。目安時間は12分前後。置換後に dx=dy/(1+y2) を入れるため,分子が (y2−2)(y2+1) と因数分解できることに気づくと計算が一気に軽くなる。採点上は,積分区間を 0 から 1 に直すこと,部分分数分解の係数,対数の絶対値の評価が重要である。y2−4 は区間内で0にならないので,途中の式変形は安全に行える。
高精度の数値積分により、積分値が 1−21log3 と一致することを独立検算した。
冊子PDFで見る九大の三角関数の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 2025年度 一般選抜 数学(理科系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。