方針
原点でない交点では x>0 なので、まず cx3/2=x から交点の x 座標を求める。次に2曲線の接線の傾きをそれぞれ計算し、t=2c と置いて傾きを 3t,t にそろえる。角の公式から tanθ=1+3t22t となるので、その最大値と、t→0+、t→∞ の端の挙動を確認する。
解答
原点でない交点 P では x>0 である。交点の条件は cx3/2=x であり、両辺を x で割ると cx=1 である。したがって x=c1 である。
まず y=cx3/2 の導関数は y′=23cx である。x=c1 を代入すると、この曲線の P における接線の傾きは 23cc1=23c である。また y=x の導関数は y′=2x1 であるから、同じ点での傾きは 21/c1=21c である。
ここで t=2c(t>0) とおくと、2本の接線の傾きはそれぞれ 3t,t である。どちらも正の傾きなので、なす角 θ は tanθ=1+3t23t−t=1+3t22t を満たす。
この値の上限を求める。t>0 に対して 1+3t2−23t=(3t−1)2≧0 であるから 1+3t22t≦31 である。等号は 3t=1、すなわち t=31 のときに成り立つ。
また t>0 なので tanθ>0 であり、t→0+ または t→∞ とすると tanθ→0 である。したがって θ=0 は近づくことはできるが、c>0 では実際には起こらない。最大のときは tanθ=31 だから θ=6π である。よって求める範囲は 0<θ≦6π である。
別解
解法2:接線の傾斜角の差を見る
方針
2本の接線の傾斜角 α,β をそれぞれ tanα=3t、tanβ=t により定める。差の正接を計算し、平方の非負性で最大値を評価する。
解答
原点でない交点の x 座標は x=1/c である。この点での2曲線の接線の傾きは23c,21cである。t=c/2>0 とおけば、傾きは 3t,t となる。
それぞれの接線の傾斜角を α,β とおくと、tanα=3t,tanβ=t であり、0<β<α<π/2 であり、求める角は θ=α−β である。したがってtanθ=1+tanαtanβtanα−tanβ=1+3t22t.ここで1+3t2≧23tだから 0<tanθ≦1/3 であり、等号は t=1/3 のときに成り立つ。また t→0+ または t→∞ で tanθ→0 だが、t>0 では0にならない。よって0<θ≦6πである。
総評
難度6、計算量5、目安時間18分。非原点の交点を求めて2本の接線の傾きを 3t,t にそろえるのが核心である。角の公式と傾斜角の差の2通りで tanθ=2t/(1+3t2) を確認した。下端0は極限として近づくだけで含まれず、上端 π/6 は実現する。
冊子PDFで見る名大の微分の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。