方針
まず S1(θ) は半径1、中心角 θ のおうぎ形だから 2θ である。S2(θ) は点 (cosθ,sinθ) における接線 xcosθ+ysinθ=1 と円弧との差を積分して求める。S2−S1=21cotθ−4π となるので、大小が入れ替わる角 α を tanα=π2 で定め、[0,α] と [α,2π] に分けて積分する。
解答
半径1、中心角 θ のおうぎ形だからS1(θ)=2θ.点 P(cosθ,sinθ) における円の接線は xcosθ+ysinθ=1 である。接線と円弧の間を積分するとS2(θ)=∫0cosθ{sinθ1−xcosθ−1−x2}dx=21cotθ−4π+2θ.したがってS2(θ)−S1(θ)=21cotθ−4π.cotθ は単調に減少する。tanα=π2 となる 0<α<2π をとればS(θ)=⎩⎨⎧2θ21cotθ−4π+2θ(0≦θ≦α),(α≦θ≦2π)である。求める積分を I とするとI=21∫0π/2θsinθdθ+21∫απ/2cosθdθ−4π∫απ/2sinθdθ=1−21sinα−4πcosα.ここでsinα=π2+42,cosα=π2+4πだからI=1−4π2+4.したがって求める値は 1−4π2+4 である。
別解
解法2:接線三角形から扇形を引く
方針
S2 を接線と座標軸でできる三角形から円の扇形を引いて求める。大小が切り替わる角を決めた後は、S1 を全区間で積分し、後半だけ差を加える。
解答
点 P=(cosθ,sinθ) における接線と y 軸との交点を T とする。接線の方程式はxcosθ+ysinθ=1だから OT=1/sinθ である。三角形 OPT の y 軸を底辺とした高さは cosθ なので、その面積は21⋅sinθ1⋅cosθ=21cotθである。一方、OP と正の y 軸のなす角は π/2−θ だから、その扇形の面積は π/4−θ/2 である。よってS2(θ)=21cotθ−4π+2θ,S1(θ)=2θ.tanα=2/π となる 0<α<π/2 をとると、0≦θ≦α では S=S1、α≦θ≦π/2 では S=S2 である。したがって求める値を I とすればI=∫0π/2S1(θ)sinθdθ+∫απ/2{S2(θ)−S1(θ)}sinθdθ=1−21sinα−4πcosα.tanα=2/π よりsinα=π2+42,cosα=π2+4π.ゆえにI=1−4π2+4である。
総評
難度7、計算量7、目安時間25分。S2 を曲線間の積分と、接線三角形から扇形を引く方法の2通りで求めた。S1 と S2 の大小は tanα=2/π で切り替わる。積分区間を逆にしないこと、cotθsinθ=cosθ を落とさないことに注意する。
冊子PDFで見る名大の積分の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。