Evolton

名古屋大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

原点Oを中心とする半径1の円周の第1象限の部分をCとする.
C上を動く点P(cosθ,sinθ) (0<θ<π2)を考え,
線分OPx軸と曲線Cとで囲まれたおうぎ形の面積をS1(θ)とし,
Pを通りCに接する直線とy軸と曲線Cとで囲まれた部分の面積をS2(θ)とする.
S1(θ)S2(θ)の小さいほうの値をS(θ)とおく.
θ=0またはπ2のときは
S(0)=S(π2)=0とする.
このとき,積分0π2S(θ)sinθdθを求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

積分三角関数図形と方程式 面積計算定積分評価、場合分け

方針

まず S1(θ) は半径1、中心角 θ のおうぎ形だから θ2 である。S2(θ) は点 (cosθ,sinθ) における接線 xcosθ+ysinθ=1 と円弧との差を積分して求める。S2S1=12cotθπ4 となるので、大小が入れ替わる角 αtanα=2π で定め、[0,α][α,π2] に分けて積分する。

解答

半径1、中心角 θ のおうぎ形だからS1(θ)=θ2.P(cosθ,sinθ) における円の接線は xcosθ+ysinθ=1 である。接線と円弧の間を積分するとS2(θ)=0cosθ{1xcosθsinθ1x2}dx=12cotθπ4+θ2.したがってS2(θ)S1(θ)=12cotθπ4.cotθ は単調に減少する。tanα=2π となる 0<α<π2 をとればS(θ)={θ2(0θα),12cotθπ4+θ2(αθπ2)である。求める積分を I とするとI=120π/2θsinθdθ+12απ/2cosθdθπ4απ/2sinθdθ=112sinαπ4cosα.ここでsinα=2π2+4,cosα=ππ2+4だからI=1π2+44.したがって求める値は 1π2+44 である。

別解

解法2:接線三角形から扇形を引く

方針

S2 を接線と座標軸でできる三角形から円の扇形を引いて求める。大小が切り替わる角を決めた後は、S1 を全区間で積分し、後半だけ差を加える。

解答

P=(cosθ,sinθ) における接線と y 軸との交点を T とする。接線の方程式はxcosθ+ysinθ=1だから OT=1/sinθ である。三角形 OPTy 軸を底辺とした高さは cosθ なので、その面積は121sinθcosθ=12cotθである。一方、OP と正の y 軸のなす角は π/2θ だから、その扇形の面積は π/4θ/2 である。よってS2(θ)=12cotθπ4+θ2,S1(θ)=θ2.tanα=2/π となる 0<α<π/2 をとると、0θα では S=S1αθπ/2 では S=S2 である。したがって求める値を I とすればI=0π/2S1(θ)sinθdθ+απ/2{S2(θ)S1(θ)}sinθdθ=112sinαπ4cosα.tanα=2/π よりsinα=2π2+4,cosα=ππ2+4.ゆえにI=1π2+44である。

総評

難度7、計算量7、目安時間25分。S2 を曲線間の積分と、接線三角形から扇形を引く方法の2通りで求めた。S1S2 の大小は tanα=2/π で切り替わる。積分区間を逆にしないこと、cotθsinθ=cosθ を落とさないことに注意する。

冊子PDFで見る名大の積分の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1987年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。