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名古屋大学 1985年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

半径2の円Cの外側に接して半径1の円Cがある.
ACの周上の定点とし,最初はCの中心,Cの中心,Aがこの順に1直線上にあるとする.
CCに接しながらすべることなくCのまわりを1まわりしてもとの位置に戻るとき,
Aが描く曲線の長さを求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

三角関数微分図形と方程式 座標設定三角比の利用定積分評価

方針

半径2の円の中心を原点に置き,小円の中心が大円の周りを角 t だけ動くと考える。中心の軌跡は半径3の円であり,すべらない条件から小円は中心の周りに角 3t だけ回転する。問題の初期位置では点 A が小円の中心の外側にあるので,媒介変数表示は外向きの点に合わせる。微分して速さを 6cost に簡約し,0t2π で積分する。

解答

半径2の円 C の中心を原点とし,最初に小さい円 C の中心が (3,0),点 A(4,0) にあるように座標をとる。

小さい円の中心が原点のまわりを反時計回りに角 t だけ動いたとき,その中心は(3cost,3sint)にある。中心が動いた弧の長さは 3t である。半径1の円がすべらずに外側を転がるので,小さい円は中心のまわりに反対向き,すなわち時計回りに角 3t だけ回転する。

最初に中心から外向きにある点 A の座標はx=3cost+cos3t,y=3sintsin3tと表される。t=0 のとき (x,y)=(4,0) であり,初期位置とも一致する。

これを微分するとdxdt=3sint3sin3t,dydt=3cost3cos3tである。したがって速さの2乗は(dxdt)2+(dydt)2=9{(sint+sin3t)2+(costcos3t)2}=9{22cos(4t)}=36sin22tである。よって速さは 6sin2t である。

小さい円が大きい円のまわりを1周するとき,0t2π である。したがって曲線の長さ LL=02π6sin2tdt=64=24である。

別解

解法2

方針

正しい媒介表示に3倍角の公式を使うと,点 A の軌跡は x=4cos3t, y=4sin3t というアステロイドになる。対称性により第1象限の弧長だけを積分して4倍する。

解答

大円の中心を原点,小円の中心の回転角を t とする。小円は時計回りに角 3t だけ自転するので,点 Ax=3cost+cos3t,y=3sintsin3tと表される。

3倍角の公式を用いるとx=4cos3t,y=4sin3tとなる。これは4つの尖点をもつアステロイドである。第1象限では 0tπ/2 であり,dxdt=12cos2tsint,dydt=12sin2tcostだから,速さは(dxdt)2+(dydt)2=12sintcostである。第1象限の弧長はL1=0π/212sintcostdt=6である。軌跡は座標軸について対称だから,全長はL=4L1=24である。

総評

難易度は7,計算量は6程度である。想定時間は26分から36分程度。小円の中心は半径3の円を動き,外側をすべらずに転がる小円は中心の公転と反対向きに角 3t だけ自転する。従って縦座標の自転項は sin3t である。回転方向を逆にしても偶然全長24が出る式があるため,初期接点の速度が0になることでも符号を確認したい。3倍角で軌跡がアステロイドになる解法は,対称性を使えて簡潔である。

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出典: 名古屋大学 1985年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。