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名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

自然数nと正の数tに対してfn(t)=1n1xlogtxdxとおく.

(1)nに対して,1tnにおけるfn(t)の最大値Anと最小値Bnを求めよ.

(2) limn(An+1An)を求めよ.
ただし,limxlogxx=0は用いてよい.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

積分指数・対数 置換積分、微分による最大最小極限計算

方針

u=logxs=logt と置換すると,dx/x=du であり,積分は区間 0ulogn 上で su を積分する問題になる。1tn では 0sL=logn なので,絶対値を u=s で分けて二次式を得る。その二次式の最大・最小を端点と頂点で求める。(2)は An=(logn)2/2 を用い,差を積の形にして与えられた極限で0に落とす。

解答

(1) L=logn,s=logt とおく。1tn であるから 0sL である。また u=logx とおくと dx/x=du で,x=1 のとき u=0x=n のとき u=L である。したがってfn(t)=0Lsuduとなる。

絶対値を u=s で分けるとfn(t)=0s(su)du+sL(us)du=s22+(Ls)22である。これを整理すると fn(t)=(sL2)2+L24 である。

よって最小値は s=L/2,すなわち t=n のとき Bn=L24=(logn)24 である。最大値は区間 0sL の端点 s=0 または s=L,すなわち t=1 または t=n のとき An=L22=(logn)22 である。

(2)

(1) より An+1An=12{(log(n+1))2(logn)2} である。平方差に直すと An+1An=12logn+1nlog{n(n+1)} である。

ここで 0<log(1+1n)<1n を用いると 0An+1An<12nlog{n(n+1)} である。さらに n(n+1)<(n+1)2 より 0An+1An<log(n+1)n である。与えられた limxlogxx=0 を使えば右辺は0に近づく。したがって limn(An+1An)=0 である。

別解

解法2

方針

対数変数 s=logt に移した後、積分値を先に展開せず s で微分する。絶対値の左右から導関数 2sL を得て最小点を決め、凸性から最大値は端点にあると判断する。(2)は An+1An を1区間の積分に戻してはさみうちする。

解答

(1) L=logn,s=logt,u=logxとおくとfn(t)=F(s):=0Lsudu,0sL.0<s<L ではF(s)=0s1dusL1du=2sL.したがって Fs=L/2 まで減少し、その後増加する。よって最小はs=L2t=nであり、Bn=F(L2)=L24=(logn)24.また F が単調増加するので F は下に凸であり、閉区間での最大値は端点にある。F(0)=F(L)=L22だからAn=(logn)22,最大となるのは t=1,n である。

(2) ddx{(logx)22}=logxxだからAn+1An=nn+1logxxdx.nxn+1 では0logxxlog(n+1)nなので0An+1Anlog(n+1)n.右辺は与えられた極限から 0 に収束する。よってlimn(An+1An)=0.

総評

対数置換で絶対値つき積分を1変数二次式に変える問題である。難易度は6,計算量は5程度で,想定時間は18分前後。1tn0sL に直してから絶対値を外すと,最大・最小の位置がはっきりする。(2)は差を log((n+1)/n)log(n(n+1))/2 と因数分解するのが要点で,log(1+1/n)<1/n と与えられた極限をつなげればよい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、問題文の解釈、図示範囲を確認した。

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出典: 名古屋大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験 理系 前期 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。