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大阪大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

Oを中心とする半径1の円に内接する正n角形A1A2An
(頂点の番号は左回りにつける)をDで表す.
Dを点Oのまわりに角2θ回転した図形をD2θとし,
この回転によってDの頂点AkはそれぞれD2θの頂点Bkにうつるものとする.
θ0θ<πnの範囲にあるとき,
次の問に答えよ.

(1)A1A2と辺B1Bnの交点をCとするとき,
A1OC=θを証明し,OCの長さを求めよ.

(2) DD2θが重なる部分の面積S(θ)と,
S(θ)が最小となるθの値を求めよ.

難易度8/ 10計算量6/ 10目安30

図形と方程式三角関数 座標設定三角比の利用面積計算対称性の利用

方針

ϕ=π/n とおく。辺 A1A2 は、原点からの距離が cosϕ、法線方向が偏角 ϕ の直線である。同様に回転後の辺の直線を考えると、交点は対称軸上にあり、半径が計算できる。重なり部分は頂点半径が2種類で交互に現れる 2n 角形なので、隣り合う2頂点と O で作る三角形 2n 個の面積を足す。

解答

(1) ϕ=πn とおく。図形全体を回転しても長さや角度は変わらないので、A1 の偏角を 0 としてよい。このとき A2 の偏角は 2ϕ である。

A1A2 を含む直線は、原点からの距離が cosϕ で、法線方向の偏角が ϕ の直線である。これは、弦 A1A2 の中点が偏角 ϕ の半径上にあるためである。

一方、辺 B1Bn は、辺 A1An を角 2θ だけ回転したものである。辺 A1An の法線方向は ϕ だから、辺 B1Bn の法線方向は 2θϕ であり、原点からの距離は同じく cosϕ である。

したがって、辺 A1A2 の直線と辺 B1Bn の直線は、偏角 θ の半直線に関して対称である。よって交点 C はその半直線上にあり、A1OC=θ である。 OC=ρ とおく。点 C から、辺 A1A2 の法線方向への成分は ρcos(ϕθ) であり、これは直線の原点からの距離 cosϕ に等しい。よって ρcos(ϕθ)=cosϕ となり、OC=cosϕcos(ϕθ)=cos(π/n)cos(π/nθ)である。

(2)
重なり部分の境界は、D の辺と D2θ の辺が交互に現れる 2n 角形である。隣り合う頂点の偏角の差は常に ϕ である。

(1) で求めた型の頂点の半径を R1=cosϕcos(ϕθ) とする。もう一方の型の頂点は、例えば辺 A1A2 と辺 B1B2 の交点である。この2直線の法線方向は ϕϕ+2θ であり、対称軸の偏角は ϕ+θ である。したがって同様に R2=cosϕcosθ である。

重なり部分は、原点 O と隣り合う2頂点でできる三角形に分けられる。各三角形は、2辺の長さが R1,R2、はさむ角が ϕ であるから、面積は 12R1R2sinϕ である。この三角形が 2n 個あるので S(θ)=2n12R1R2sinϕ=nR1R2sinϕ である。したがってS(θ)=ncos2ϕsinϕcos(ϕθ)cosθすなわちS(θ)=ncos2(π/n)sin(π/n)cos(π/nθ)cosθである。

次に最小となる θ を求める。分子は θ によらず正であるから、分母 cos(ϕθ)cosθ が最大になるとき S(θ) は最小になる。積和公式より cos(ϕθ)cosθ=cos(ϕ2θ)+cosϕ2 である。範囲 0θ<ϕ では、cos(ϕ2θ)ϕ2θ=0 のとき最大である。

したがって θ=ϕ2=π2n のとき S(θ) は最小となる。その最小値は Smin=ncos2ϕsinϕcos2(ϕ/2) である。

図は n=6 の例。重なりの頂点半径は2種類が交互に現れる

別解

解法2

方針

O から各辺を含む直線までの距離が cos(π/n) であることを
用い、2直線の角の二等分線上で交点半径を求める。面積は全体を
n 個の合同な扇形状部分に分け、1部分を2つの三角形として足す。
最小化は余弦の積を平方差へ直す。

解答

(1)
ϕ=π/n とする。辺 A1A2 と辺 B1Bn を含む
2直線は、原点からの距離がともに cosϕ、法線方向が
ϕ2θϕ である。したがってその交点 C
2方向の二等分線、すなわち偏角 θ の半直線上にある。
よって A1OC=θ でありOCcos(ϕθ)=cosϕからOC=cosϕcos(ϕθ).(2)
重なり部分を原点のまわりに角 2ϕ ずつ分けると、合同な
n 部分になる。1部分の境界頂点の半径はR1=cosϕcos(ϕθ),R2=cosϕcosθである。この部分は、はさむ角が ϕ の同面積三角形2個からなり、
その合計面積は R1R2sinϕ である。よってS(θ)=ncos2ϕsinϕcos(ϕθ)cosθ.ここでcos(ϕθ)cosθ=cos2ϕ2sin2(θϕ2)だから、分母は θ=ϕ/2 で最大になる。したがってθ=π2nのとき S(θ) は最小である。

総評

正多角形の重なりを、各辺を含む直線の距離と方向で処理する難問である。目安時間は30分。重なり部分の頂点半径が R1,R2 の2種類で交互に現れることを明示できると、面積式まで安定して進められる。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 大阪大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。