方針
固定した x について漸化式を展開し、f1(x) から来る項と、
途中で加わる 2,3,…,n の項に分ける。最後に x=e1/n を
代入し、前者は指数関数の基本極限で評価する。後者は
te1−t の区分求積として定積分へ移す。
解答
固定した x について、漸化式 fn(x)=xfn−1(x)+n を順に展開する。するとfn(x)=xn−1f1(x)+j=2∑njxn−jである。これは、f1(x) が n−1 回 x を掛けられ、途中で加わった j がその後 n−j 回 x を掛けられることから分かる。
ここで x=e1/n とおく。まず第1項について n2xn−1f1(x)=n2(e1/n−1)2e(n−1)/n である。さらに n(e1/n−1)→1 だから n2(e1/n−1)2e(n−1)/n→e である。
次に和の部分を考える。n21j=2∑njxn−j=j=2∑nnje1−j/nn1である。これは t=j/n と見ると、関数 te1−t の 0≦t≦1 における和の極限である。したがってj=2∑nnje1−j/nn1⟶∫01te1−tdtである。
この積分を部分積分で計算すると∫01te1−tdt=e∫01te−tdt=e[−(t+1)e−t]01=e−2である。
よって求める極限は e+(e−2)=2e−2 である。
漸化式を展開した後、2つの寄与を別々に評価する
別解
解法2
方針
漸化式を展開した後、重み付き有限等比和を閉じた式で計算する。
x=e1/n を代入すると、区分求積を使わず、指数関数の基本極限だけで
初項由来の寄与と有限和由来の寄与を別々に求められる。
解答
漸化式を展開するとfn(x)=(x−1)2xn−1+j=2∑njxn−j.有限和の公式からj=1∑njxn−j=(x−1)2xn+1−(n+1)x+nである。したがって x=e1/n とおくと、初項由来の部分はn2(e1/n−1)2e(n−1)/n⟶e.一方、j=1 の項を除いた有限和についてn21j=2∑njxn−j=n2(e1/n−1)2e1+1/n−(n+1)e1/n+n−n2e(n−1)/n.分子の前半を(e−1)e1/n−n(e1/n−1)と書けば、これは e−2 に収束する。また
n(e1/n−1)→1 より分母
n2(e1/n−1)2→1 である。よって有限和の寄与は
e−2 となる。
以上から求める極限はe+(e−2)=2e−2である。
総評
漸化式の展開と和の極限を組み合わせる理系標準上位問題である。目安時間は22分。f1 由来の項が n2 で割っても残るため、和の部分だけを見てしまわないことが重要である。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。
冊子PDFで見る阪大の数列の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 1984年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。