Evolton

大阪大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

abを定数とし,f(x)=(xa)2ex2+bとおく.

(1) 関数f(x)が極大値をとるxの値αβ (α<β)と,
極小値をとるxの値γを求めよ.

(2) 曲線y=f(x)上の3点A(α,f(α))B(β,f(β))C(γ,f(γ))について,
ベクトルCACBの内積をabを用いて表せ.

(3) ACBが鋭角となるためのabについての条件を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安20

微分ベクトル 微分による最大最小内積の利用文字消去

方針

指数部分は常に正なので、微分後の符号は (xa){1x(xa)} で判断できる。極小点は x=a で、極大点は x2ax1=0 の2解になる。内積では C=(a,0) とし、(αa)(βa)f(α)f(β) を別々に計算する。極大点では x(xa)=1 が成り立つので、縦座標の積が e2ba22 まで簡単になり、鋭角条件は内積が正であることに帰着する。

解答

(1) f(x)=(xa)2ex2+b より f(x)=2(xa)ex2+b2x(xa)2ex2+b である。したがって f(x)=2ex2+b(xa){1x(xa)} となる。ここで ex2+b>0 である。

臨界点は x=a または 1x(xa)=0 から得られる。後者は x2ax1=0 であるから、2解は α=aa2+42,β=a+a2+42 である。α<a<β であり、f(a)=0、かつ f(x)0 だから、x=a で極小値をとる。さらに x が大きいところでは f(x) は0に近づき、符号変化から x=α,β で極大値をとる。したがってα=aa2+42,β=a+a2+42,γ=aである。

(2) C=(a,0) である。また α,βx2ax1=0 の2解であるから α+β=a,αβ=1 が成り立つ。したがって (αa)(βa)=(β)(α)=αβ=1 である。

次に縦座標の積を求める。x=α,β では x(xa)=1 であるから (xa)2=1x2 である。よって f(α)f(β)=(αa)2(βa)2eα2β2+2b である。ここで (αa)(βa)=1 より (αa)2(βa)2=1 であり、また α2+β2=(α+β)22αβ=a2+2 である。したがって f(α)f(β)=e2ba22 である。

以上よりCACB=(αa)(βa)+f(α)f(β)=1+e2ba22である。すなわち CACB=e2ba221 である。

(3) ACB が鋭角であるための条件は CACB>0 である。(2) の結果から e2ba221>0 であり、これは e2ba22>1 と同値である。指数関数 exx>0 のとき1より大きいので 2ba22>0 を得る。したがって求める条件は b>a2+22 である。

別解

解法2(2直線の傾き)

方針

極値を与える2次方程式の解と係数の関係を使う。点 C から A,B へ引いた2直線の傾きの積を求め、内積を傾きで組み直して鋭角条件を判定する。

解答

(1)
微分するとf(x)=2ex2+b(xa){1x(xa)}.したがって極小点は x=a、2つの極大点は x2ax1=0 の2解である。よってα=aa2+42,β=a+a2+42,γ=a.(2)
C=(a,0) から A,B へ引いた直線の傾きをそれぞれ mA,mB とする。α+β=aαβ=1 より(αa)(βa)=(β)(α)=1.また、極大点では x(xa)=1 なのでf(α)f(β)=e2b(α2+β2)=e2ba22.ここでmAmB=f(α)f(β)(αa)(βa)=e2ba22.2本の方向ベクトルを (αa)(1,mA)(βa)(1,mB) と書けば、その内積はCACB=(αa)(βa)(1+mAmB)=e2ba221.(3)
ACB が鋭角である条件は上の内積が正であることだからe2ba22>1.指数関数の単調性より2ba22>0,b>a2+22を得る。

総評

指数関数を含む極値と、極大点が作る角の問題である。目安は20分。微分式は (xa){1x(xa)} まで因数分解する。極大点の横座標について解と係数の関係を使うと、個々の複雑な根号を代入せずに内積を整理できる。

冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。