Evolton

大阪大学 2005年度 前期日程 第2次学力試験(数学文系)文系数学 第2問

f(x)=2x3+x23 とおく.

(1) 関数 f(x) の増減表を作り,y=f(x) のグラフの概形を描け.

(2) 直線 y=mx が曲線 y=f(x) と相異なる3点で交わるような実数 m の範囲を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

関数微分 増減表グラフの概形、パラメータ処理

方針

(1)f(x)=2x(3x+1) の符号を調べ,極値と x 軸との交点を併せて概形を決める.(2) は x=0 が交点でないことを確認して m=f(x)x とし,傾き関数 φ(x) の値域から交点数を数える.

解答

(1)
導関数は f(x)=6x2+2x=2x(3x+1) である。したがって f(x)=0 となるのはx=13,x=0である。符号を調べると、f(x)>0x<13x>0f(x)<013<x<0 である。

またf ⁣(13)=2(127)+193=8027,f(0)=3である。よって増減表はx130f(x)+00+f(x)80273となる。

さらに f(x)=2x3+x23=(x1)(2x2+3x+3) であり、2x2+3x+3 の判別式は 32423=15<0 である。したがって x 軸との交点は (1,0) だけである。

以上より、グラフは左下から増加して x=13 で極大値 8027 をとり、その後 x=0 で極小値 3 をとってから増加し、(1,0)x 軸を横切って右上へ進む概形である。極大値も極小値も負であるため、x 軸との交点が右側に1つだけであることを図に反映させる。

(2)
直線 y=mx と曲線 y=f(x) の交点では f(x)=mx が成り立つ。ここで x=0 とすると f(0)=3 であり交点ではない。したがって x0 として割ることができ、m=f(x)x=2x2+x3x と書ける。この右辺を φ(x)=2x2+x3x(x0) とおく。

導関数は φ(x)=4x+1+3x2=(x+1)(4x23x+3)x2 である。4x23x+3 の判別式は (3)2443=39<0 で、先頭係数が正だから常に正である。また x2>0 である。よって φ(x) の符号は x+1 の符号で決まる。

したがって φ(x)x<1 で減少し、1<x<00<x で増加する。さらにφ(1)=4,limxφ(x)=,limx0φ(x)=,limx+0φ(x)=,limxφ(x)=である。

このため、x<0 の範囲では m>4 のときに2個、m=4 のときに1個、m<4 のときに0個の解をもつ。一方、x>0 の範囲では φ(x) から まで単調に増加するので、任意の m に対して1個の解をもつ。

相異なる3点で交わるには、x<0 に2点、x>0 に1点が必要である。したがって条件は m>4 である。

曲線の概形と基準となる接線

別解

解法2

方針

gm(x)=f(x)mx とおき,三次関数が相異なる3零点をもつための極大値・極小値の符号を調べる.最後に中間値の定理で十分性まで確認する.

解答

(1)

増減表と曲線 y=f(x) の概形は解法1と同じである.

(2)
三次方程式そのものの増減からも同じ境界を得られる。 gm(x)=f(x)mx=2x3+x2mx3 とおく。もし gm(x)=0 が相異なる3つの実数解をもつなら、三次関数の極大値は正、極小値は負でなければならない。極値をとる点を r とすると gm(r)=6r2+2rm=0 なので m=6r2+2r であり、gm(r)=2r3+r2(6r2+2r)r3=(r+1)(4r23r+3) となる。ここで 4r23r+3>0 だから、極大値が正になるには、左側の極値の位置が r<1 であることが必要である。左側の極値は r=11+6m6 であるから、r<11+6m>5,m>4 と同値である。
逆に m>4 なら gm(1)=m4>0,gm(0)=3<0 であり、さらに gm(x) (x)gm(x) (x) である。中間値の定理より (,1)(1,0)(0,) にそれぞれ1つずつ解がある。三次方程式なのでこれで3解すべてであり、やはり m>4 が得られる。

総評

(1) は極大値と極小値がどちらも負であることまで書けると、概形の説得力が上がる。(2) は「原点から曲線上の点への傾き」を調べる発想が中心で、x=0 が交点でないことを確認してから割るのが採点上の要点である。目安時間は20分程度。境界 m=4 では負の側で接するだけなので、相異なる3点ではなく2点になる。この端点除外を忘れやすい。解法2の三次関数で見る方法も有効だが、必要十分性を示すには極値の符号まで整理する必要があり、計算量はやや増える。

冊子PDFで見る阪大の関数の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2005年度 前期 文系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。