方針
(1) は方向ベクトル への正射影を内積で求める。(2)は平行四辺形の位置ベクトルから とし,係数を行列にまとめる。(3)では が の形になることを利用し, が単位行列の定数倍になることから偶奇で累乗を求める。
解答
(1) 直線 の方向ベクトルは である。したがって の への正射影はである。同様に,直線 の方向ベクトルは だからである。よってとなる。
(2) 四角形 がこの順に平行四辺形なので,位置ベクトルについてが成り立つ。(1)の式を代入して の係数をまとめるとただしである。
(3) とおくとである。直接計算するとであり,さらに整理してを得る。そこでとおけば である。なおより である。
初期点を列ベクトルで と書けば である。したがって, のとき のときこれが求める座標である。
は2直線への正射影で, は平行四辺形の第4頂点。
別解
解法2
方針
2直線の傾きを角度で表し,その内角の二等分線を新しい横軸に選ぶ。この座標では2本の直線は横軸となす角が となる。2つの正射影の和から恒等変換を引くと,角の二等分線に関する鏡映と縮小の合成になるため,反復の偶奇が幾何的に見える。
解答
(1) 方向ベクトルへの正射影を取る。よって(2) 直線 が 軸の正の向きとなす角をそれぞれを満たす とする。角の二等分線方向を第1軸,それに垂直な方向を第2軸に取ると,2直線は第1軸とそれぞれ , の角をなす。
この座標で,角 の直線への正射影を表す行列はであり,角 の直線への正射影では非対角成分の符号だけが反転する。したがって, を表す行列はここでである。よってこの変換は,角の二等分線に関する鏡映を行った後,全体を 倍する変換である。鏡映を2回行うと元の向きに戻るから,が直ちに分かる。
元の座標で を計算すればである。
(3) したがってにおいて,奇数番目では元の方向のまま 倍され,偶数番目では1回鏡映された方向のまま 倍される。これを元の 座標へ戻すと,解法1のを得る。
総評
難度7,計算量7。想定時間は28分程度。垂線の足を連立方程式で求めてもよいが,正射影を使うと(1)から(2)まで一貫して処理できる。(3)で一般の行列累乗を考える必要はなく,対角成分が互いに反対であるため の非対角成分が消える。最後は の偶奇を明記する。