方針
(1) は f′(x),f′′(x) を直接計算し,さらに e−f(x) を指数法則で整理して同じ式になることを示す。f′′(x)>0 も確認しておくと対数が定義できる。(2) は(1)から e−f(x)=f′′(x) と置き換え,L=log2 として、置き換えた定積分を部分積分する。端点で f′(0)=0 が効くので,最後は f(0)−f(L) の計算に帰着する。
解答
(1) f(x)=2log(1+ex)−x−log2 である。まず微分するとf′(x)=2⋅1+exex−1=1+ex2ex−(1+ex)=ex+1ex−1である。さらに f′′(x)=(ex+1)2ex(ex+1)−(ex−1)ex=(1+ex)22ex である。特に f′′(x)>0 である。
一方,e−f(x)=e−2log(1+ex)+x+log2 であるから e−f(x)=(1+ex)22ex となる。よって f′′(x)=e−f(x) である。両辺は正なので対数をとることができ,logf′′(x)=−f(x) が成り立つ。
(2) L=log2 とおく。(1)より e−f(x)=f′′(x) であるから,求める積分はI=∫0L(x−L)f′′(x)dxである。
部分積分を用いるとI=[(x−L)f′(x)]0L−∫0Lf′(x)dxである。ここで x=L では (x−L)=0 であり,x=0 では f′(0)=1+11−1=0 である。したがって境界項は0で,I=−∫0Lf′(x)dx=−(f(L)−f(0))=f(0)−f(L)となる。 f(0) は f(0)=2log2−0−log2=log2 である。また L=log2 なので eL=2 であり,f(L)=2log(1+2)−log2−log2=2log3−2log2 である。
ゆえに I=log2−(2log3−2log2)=3log2−2log3=log98 である。積分区間では x−L≦0,e−f(x)>0 なので,結果が負になることとも合っている。
総評
目安時間は18分前後。(1) の微分計算は標準的だが,e−f(x) を丁寧に整理して f′′(x) と一致させるところが誘導の中心である。(2) は e−f=f′′ に置き換えた後の部分積分で,境界項が f′(0)=0 により消える点を明記したい。最後の値は log(8/9) で負なので,符号の確認も答案の信頼性を上げる。
冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2010年度 前期 数学(理系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。