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大阪大学 2008年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

Nを2以上の自然数とする.

(1) 関数f(x)=(Nx)logx1xNの範囲で考える.
このとき,曲線y=f(x)は上に凸であり,関数f(x)は極大値を1つだけとる.
このことを示せ.

(2) 自然数の列a1,a2,,aN
an=nNn (n=1,2,,N)で定める.
a1,a2,,aNのうちで最大の値をMとし,
M=anとなるnの個数をkとする.
このときk2であることを示せ.

(3) (2)でk=2となるのは,Nが2のときだけであることを示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

微分数列指数・対数 グラフの概形不等式評価、一意性証明

方針

(1)f(x)=N/x1logxf(x)<0 を計算し,曲線が上に凸であることと f が単調減少することを使う。端点で f(1)>0f(N)<0 なので,導関数は1回だけ0になり,極大値も1つだけである。(2)は logan=f(n) と見て,連続関数の上に凸性から差 f(n+1)f(n) が単調減少することを示す。すると最大をとる整数は1個,または隣り合う2個だけである。(3)では隣り合う2項が等しいと仮定し,互いに素な n,n+1 の累乗等式から n=1,N=2 しかないことを示す。

解答

(1) f(x)=(Nx)logx を微分すると f(x)=logx+Nxx=Nx1logx であり,さらに f(x)=Nx21x<0 である。したがって曲線 y=f(x)1xN で上に凸であり,f(x) は単調に減少する。

端点での導関数の符号は f(1)=N1>0 および f(N)=11logN=logN<0 である。f は連続かつ単調減少なので,f(x)=0 となる点は (1,N) にただ1つ存在する。その点までは f は増加し,その点以後は減少する。よって f(x) は極大値を1つだけとる。

(2) logan=log(nNn)=(Nn)logn=f(n) である。対数関数は増加関数なので,an の大小は f(n) の大小と同じである。

ここで Δn=f(n+1)f(n)(n=1,2,,N1) とおく。f(x) は単調減少であるから,区間 [n,n+1] での増加量 Δnn が増えるにつれて単調に減少する。実際,Δn=nn+1f(x)dxである。f が狭義単調減少なので,区間を1だけ右へ移した Δn+1Δn より小さい。

したがって数列 f(1),f(2),,f(N) は,差 Δn が正である間は増加し,負になった後は減少する。もし Δn=0 となる n があれば,f(n)=f(n+1) となるが,Δn は単調に減少するので,そのような場所は高々1か所である。

よって最大値をとる n は1個,または隣り合う2個に限られる。したがって k2 である。

(3) k=2 とする。(2)より,最大値をとる2つの添字は隣り合っている。したがって,ある n (1nN1) について an=an+1 である。すなわち nNn=(n+1)Nn1 である。 m=Nn1 とおくと,m0 であり,この等式は nm+1=(n+1)m となる。nn+1 は互いに素である。もし n2 なら,左辺は n で割り切れるが,右辺は n で割り切れないので不可能である。したがって n=1 でなければならない。 n=1 を等式に戻すと 1N1=2N2 であるから 2N2=1 となり,N=2 である。

逆に N=2 のとき,a1=11=1,a2=20=1 であるから,最大値をとる n1,2 の2個であり,確かに k=2 である。

以上より,k=2 となるのは N=2 のときだけである。

上に凸な曲線では,単位区間ごとの増加量
Δn=f(n+1)f(n) が順に小さくなる。

総評

連続関数の上に凸性で離散的な最大値の個数を制御する問題である。想定時間は25分前後,難易度は7,計算量は6程度。(1)の計算自体は短いが,(2)で f(n+1)f(n) が単調減少することを明確に説明する必要がある。最大値が2個あるなら隣り合う2項に限られる,という流れを作ると(3)の互いに素の議論に自然につながる。最後に N=2 で実際に k=2 になることも確認する。

冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る

出典: 大阪大学 2008年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。