方針
まず定積分を実際に計算し,f(x) を 4ax3−6x2+1/a という多項式に直す。最小値が正である条件なので,f′(x)=12x(ax−1) から区間 0≦x≦1 における最小点を決める。臨界点 x=1/a が区間に入るかどうかが変わるため,0<a<1 と a≧1 に分け,それぞれの最小値を >0 として解く。
解答
まず定積分を計算する。∫x−1x(t2+t)dt=[3t3+2t2]x−1x=(3x3+2x2)−(3(x−1)3+2(x−1)2)=x2−61.したがってf(x)=4ax3+a1−a−6(x2−61)=4ax3−6x2+a1である。よって f′(x)=12ax2−12x=12x(ax−1) である。
(i) 0<a<1 のとき 0<x≦1 では ax<1 であるから f′(x)=12x(ax−1)<0 である。したがって f(x) は [0,1] で減少し,最小値は x=1 でとる。よって必要十分条件は f(1)>0 である。ここで f(1)=4a−6+a1 だから,a>0 に注意して 4a−6+a1>0⟺4a2−6a+1>0 である。二次方程式 4a2−6a+1=0 の解は a=43±5 である。よって 0<a<1 と合わせると 0<a<43−5 を得る。
(ii) a≧1 のとき
このとき 0<a1≦1 である。導関数の符号は,0<x<1/a で負,1/a<x≦1 で正となるので,最小値は x=1/a でとる。したがって必要十分条件は f(a1)>0 である。計算するとf(a1)=4a⋅a31−6⋅a21+a1=a24−a26+a1=a2a−2である。a2>0 だから,これは a>2 と同値である。a=2 のとき最小値は 0 であり,問題の「正」には含まれない。
以上より,求める範囲は 0<a<43−5,2<a である。
総評
難度5,計算量4。想定時間は18分程度。最初の採点点は定積分を x2−1/6 と正確に計算し,f(x)=4ax3−6x2+1/a に直すことである。次に f′(x)=12x(ax−1) から,臨界点 x=1/a が区間 [0,1] に入るかを a=1 で場合分けする。0<a<1 では右端 x=1,a≧1 では x=1/a が最小点になる。典型的な失点は,a=1 の境界を両方から落とすこと,最小値が「正」であるのに ≧0 として端点 a=(3−5)/4,2 を含めることである。最後に各範囲と得られた不等式の共通部分を取り,0<a<(3−5)/4 または a>2 と明示する。
冊子PDFで見る阪大の微分の問題で問題集を作る
出典: 大阪大学 2026年度 一般選抜(前期日程)数学(文系・公式問題)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。