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東北大学 1987年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

行列(ab0c) (a2+b2=c2,b0)に対し,
実数xyθ (π2<θ<π2)が存在して(ab0c)=(xyyx)(cosθsinθsinθcosθ)と表せることを示せ.
さらに,このときのxyabcで表せ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安22

行列三角関数 回転・拡大、計算整理、存在証明

方針

右辺の2つの行列を掛けて成分比較する。下左成分を0にする条件から tanθ=ba+c を選ぶのが自然である。a2+b2=c2b0 から c>a なので a+c0 であり、π2<θ<π2θ を取れる。あとは cosθ>0 を使って x,y を成分比較から求める。

解答

C=cosθS=sinθ とおく。右辺の積を成分で計算すると、第1行は (xC+yS,xS+yC) 第2行は (yC+xS,yS+xC) である。これが第1行 (a,b)、第2行 (0,c) の行列に等しくなればよい。

まず下左成分を0にするために yC+xS=0 を満たすように θ を選ぶ。条件 a2+b2=c2b0 より c0 かつ c>a である。したがって a+c0 であり、tanθ=ba+c を満たす θ がただ1つ π2<θ<π2 に存在する。この範囲では C=cosθ>0 である。

この θ に対して cos2θ=1tan2θ1+tan2θ=ac, sin2θ=2tanθ1+tan2θ=bc が成り立つ。ここでは a2+b2=c2 を用いて整理している。

成分比較から、下左成分が0であることに加えて a=xC+yS,b=xS+yC,c=yS+xC が必要である。yC+xS=0 より y=xSC であり、これを c=yS+xC に代入すると c=x(S2C+C)=xC である。よって x=cC である。また y=xSC=cS である。

これを C だけで表すと、2C21=cos2θ=ac より C2=a+c2c であり、C>0 だから C=a+c2c である。したがって x=cC=a+c2C,y=cS=b2C となる。すなわち x=a+c2cosθ,y=b2cosθ である。これにより右辺の各成分は確かに (a,b),(0,c) と一致する。

さらに C=cosθ=(a+c)/(2c) だから、最終的にx=ca+c2c,y=b22ca+cと、a,b,c だけで表せる。

別解

解法2:半角の値を先に定めて直接検算する

方針

条件から c>a なので (a+c)/(2c)>0 である。そこで cosθcos2θ=a/c の半角公式で正に選び、sinθsin2θ=b/c と符号が合うように定める。その後、x=ccosθ, y=csinθ と置いて積を直接計算し、存在と a,b,c だけによる表示を同時に示す。

解答

条件 a2+b2=c2, b\neqq0 からc>a,c\neqq0.したがってC=a+c2cは正の実数であり、0<C<1 である。さらにS=b2cCとおくとC2+S2=1.よって π/2<θ<π/2cosθ=C,sinθ=Sを満たす θ が存在する。このときcos2θ=ac,sin2θ=bc.ここでx=cC,y=cSとおく。行列の積を計算すると、下左成分はyC+xS=cSC+cCS=0,下右成分はyS+xC=c(S2+C2)=c.また上左・上右成分はxC+yS=c(C2S2)=ccos2θ=a,xS+yC=2cSC=csin2θ=b.したがって所要の分解が成り立つ。

x,ya,b,c だけで書けばx=ca+c2c,y=b22ca+c.根号内はいずれも正である。

総評

難度7、計算量7、目安時間22分。原問題が行列分解を明示するため、成分比較と回転行列を用いる。b\neqq0 から c>a を得て a+c\neqq0 と根号内の正値を保証する箇所が重要である。角を選ぶ解法と半角値を直接定める解法で存在を相互確認した。最終答案では x,yθ を残さず a,b,c だけで表示する。

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出典: 東北大学 1987年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。