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東北大学 1988年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

(1) 行列A=(abcd)で表される1次変換が、曲線 xy=1 上のすべての点を曲線 x2y2=2 上の点に移すとき、A はどのような行列か。行列 A の各成分を a の式として表せ。

(2) さらに、この1次変換の逆変換も、曲線 xy=1 上のすべての点を曲線 x2y2=2 上の点に移すとき、A を求めよ。

難易度8/ 10計算量7/ 10目安40

行列図形と方程式 恒等式比較、計算整理、必要十分条件

方針

(X,Y)=A(x,y) と置き、y=1/x を代入する。X2Y2x2、定数、x2 の係数を比較し、2つの行列族を得る。(2) は各逆行列へ同じ条件を適用する。

解答

(1) X=ax+by,Y=cx+dyとする。xy=1 上では y=1/x だからX2Y2=(a2c2)x2+2(abcd)+b2d2x2.これがすべての x0 で2に等しいための必要十分条件はa2=c2,b2=d2,abcd=1.c,d がそれぞれ a,b と同符号なら最後の式を満たさない。符号を反対に取ると2ab=1.したがって a0 であり、A=(a12aa12a)またはA=(a12aa12a).(2)
第1の行列をA=(abab),2ab=1と書くとA1=(bbaa).これも (1) の条件を満たすにはb2a2=0,b2+a2=1が必要十分である。よってa2=b2=12.2ab=1 なので a,b は同符号である。

第2の行列A=(abab)の逆行列はA1=(bbaa).b2=a2 を満たしても定数項の条件はb2a2=1となり不可能である。したがって答えはA=(12121212),A=(12121212).

別解

解法2:差の平方を2つの1次式の積に分ける

方針

X2Y2=(X+Y)(XY) と因数分解する。積が 2xy になるには2つの1次式が x,y に1本ずつ対応することを使い、2つの行列族を直接作る。

解答

(1)
xy=1 上で(X+Y)(XY)=2が常に成り立つ。y=1/x を代入して最高次数と最低次数を比べると、2つの1次式 X+YXY は、一方が x の定数倍、他方が y の定数倍でなければならない。順序を含めて2通りある。

第1の場合をX+Y=λx,XY=2λyとするとX=λ2x+1λy,Y=λ2x1λy.a=λ/2 と置けばA=(a12aa12a).順序を入れ替えるとX+Y=λy,XY=2λxであり、A=(a12aa12a).いずれも a0 である。

(2)
第1の行列族ではA1=(12a12aaa).この行列の2行から作る差の平方が 2xy になる条件はa2=14a2=12.よってa=12またはa=12.第2の行列族では、逆変換について (X+Y)(XY)xy の係数が負になり、2にはできない。

したがってA=(12121212),A=(12121212).

総評

難度8、計算量7。曲線全体を移す条件を恒等式へ変える問題で、想定時間は40分程度。係数比較と因数分解の2方法で2つの行列族を導き、逆変換条件で一方を除外した。符号の組合せと a0 を落とさないことが重要である。

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出典: 東北大学 1988年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。